梅は中国が原産で、日本には約1500年前に薬用として渡来したようです。梅の原種はもともと白い花を咲かせていたと思われます。奈良時代には既に栽培されていて、当初は実を収穫する実梅(みうめ)として人為的な改良がおこなわれていました。実梅の花色は基本的に白色です。食用の実を収穫するためのウメは白い一重咲きが一般的で、観賞用の花梅(はなうめ)が栽培され、特に江戸時代に品種改良が盛んに行われた結果、花色や咲き方が多様化していきました。
では、花色の多様化はどのように生じたのでしょうか。まずは突然変異です。梅は遺伝子の僅かな変異で花色が変わりやすく、紅梅の枝の一部で白花になる突然変異が起こり、これによって、同じ木から紅白の花が咲くことがあります。野梅から進化した「紅梅性」の梅は花色が鮮やかな紅色や緋色になり、様々な品種が生まれました。現在、梅の品種は世界で1000種以上、日本国内には600種もあると言われています。
梅は花を鑑賞する「花梅」と、実を収穫する「実梅」に分けられていますが、実際には厳密な区別はなく、花も実も楽しめる品種がたくさんあります。子供の頃、家の庭に梅の木があり、春には白い花が咲き、その後はたくさん梅の実をつけ、祖母の梅干し作りを手伝ったのを憶えています。


