タマスダレ(玉簾)はヒガンバナ科の球根草。別名はレイン・リリー(雨ユリ)。タマスダレは夏から初秋に1本の花茎に花を一つだけ咲かせる。タマスダレの花は直径4-5㎝ほどの純白の花で、花弁は6枚、雄しべは黄色い。タマスダレはヒガンバナ科の植物なので全体に毒をもつ。鱗茎や葉にリコリンというアルカロイド成分が含まれていて、誤食すると嘔吐、痙攣などを引き起こす。
ところで、彼岸(ひがん)は春分、秋分を中日(ちゅうにち)とし、前後各3日を合わせた各7日間(1年で計14日間)である。彼岸の意味は「河の向こう岸」で、仏教では悟りの世界が彼岸、迷いや煩悩に満ちた私たちの住む世界が此岸(しがん)。では、暦の彼岸と彼岸の意味はどのように結びついているのか。彼岸はあの世とこの世が1年で最も近づく期間で、それは太陽が真東から真西へ一直線に動くため。彼岸に墓参りに行くのは、あの世とこの世が近づく期間に故人や先祖に会いに行くため。
サフランモドキもヒガンバナ科タマスダレ属の植物で、共に明治初期に日本に入ってきた。タマスダレとサフランモドキは園芸では「ゼフィランサス」と呼ばれ、人気がある。白い花を咲かせるのがタマスダレで、ピンク色の花がサフランモドキ。タマスダレは寒さに強く、日本の風土に適応し、あちこちで半野生化し、湾岸地域でも群落が見られる。サフランモドキが渡来した時、薬用のサフランと間違われ、サフランと名付けられた。その後、本物のサフランが知れ渡るようになり、「サフランモドキ」と改名された。サフランモドキはジャマイカ、グアテマラ、キューバ、メキシコが原産。
*サフランモドキとなれば、本物のサフランが気になる。クロッカスの原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジア。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、花を愛でるクロッカスは早春に咲き、春サフラン、花サフランと呼ばれてきた。クロッカスはアヤメ科クロッカス属の総称で、最も古くから栽培されてきたのがサフラン(Crocus sativus)。ところが、クロッカスには秋咲きのものもあり、その名の通り10月下旬から11月になって花が咲き、クロッカス・コンカラーと呼ばれている。同じ時期にサフランも咲くが、どちらもライラックブルーの花色で、よく似ている。二つの違いは、コンカラーの雌しべは花の真ん中に固まり、黄色だが、サフランの長い雌しべは赤く、三本ある。この雌しべからサフランができるが、1gつくるのに400本ほどの雌しべが必要で、とても高価。



