タケニグサ(竹似草、あるいは竹煮草)

 タケニグサはケシ科の多年草で日当たりのよい草原、空地などによく見られる雑草で、湾岸地域でもあちこちに繁茂している。その名は茎が中空で竹に似ているから「竹似草」、あるいは竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなり、細工しやすくなることから「竹煮草」。

 先駆植物の一つであり、日当たりのよい都会の荒れ地から山地の崩壊地や伐採跡まで広い範囲に生え、高さ1-2mになる大型の多年草で、根茎は橙赤色で大きい。茎を切ると濃い橙黄色の汁が出る。汁には有毒なプロトピンやケレリトリンなどのアルカロイドを含み、肌につくとかぶれ、誤食すると嘔吐や昏睡、脈拍や体温低下、呼吸麻痺などを起こす。

 その葉は長い柄があって大きく、キクやイチジクの葉を思わせる。葉身は長さ20-40cm、幅15-30cmの広卵形で掌状に5-7中裂して裂片は粗い鋸歯があり、先は鈍く基部はやや心形、裏面は白色で縮毛が密生する。

 茎の先に大きな円錐花序をつくり、おびただしい数の花をつける。萼片は2個で白色、長さ約1cmの倒披針形で、開花直前に散り落ち、花弁はない。雄しべは多数あり、花糸は糸状、葯は黄白色で長さ3-4mmの線形。花柱は短い(画像)。

 子供の頃、野原でよく見たタケニグサの開花時期は6-8月だが、画像は9月末のもので、遅れても平気で花をつける逞しさを感じることができる。

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