2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夏のトレニア

今年の夏は格段に暑い。トレニアの花姿はその蒸し暑さを忘れさせてくれる。そんな風に思わせるのがトレニアの花の凄さなのだろうが、それはほんの一瞬で、すぐ蒸し暑さの世界に引き戻されるのもまた現実である。トレニアはツルウリクサ属に分類される一年草…

「海行かば」と「塾歌」

久し振りに甲子園に流れる塾歌を聞いた。甲子園+塾歌の組み合わせは私には今でも稀なことなのである(塾高、塾歌は社中、塾生、塾員などと同じ慶應用語)。甲子園に塾高が出場することはまずないと思っていたのが私の世代で、それが春の代表に選ばれ、今で…

ハマゴウの花

「ハマゴウ」という名前は、平安時代の『延喜式』、『本草和名』において「浜を這う」という意味で、蔓荊子(はまはふ)、波万波比(はまはひ)などと呼ばれていました。その後、実、葉、樹が精油分を含み、芳香があることがわかり、香や線香が作られます。…

ふるさとを穿る(1)

有恒学舎(有恒高校)と三葉勧学精舎(正念寺) 妙高市には今でも私学の高校はありませんが、私が住んでいた頃には妙高の隣の板倉町(現上越市板倉区針)に私立の有恒学舎がありました。県立の高等学校になったのは1964年で、1966年に私は上京したため、知っ…

アンゲロニアの花たち

オオバコ科アンゲロニア属のアンゲロニア(Angelonia)は初夏から秋まで次々と花を咲かせ、長く楽しめます。アンゲロニアは中央アメリカから南アメリカに30種ほどが分布し、暑さと強い日ざしに耐え、暑くなった今の気候に適しています。アンゲロニアと呼ばれ…

習合離反の反復から生まれた大乗仏教のパラダイム

善なる神が全知全能ならば、悪は何に由来するのか。グノーシス主義はその解答の一つ。物質があふれた宇宙はそもそも神が創造したものではなく、サタン(悪)や不完全な神の代理人が創造したもの。それゆえ、物質には悪や不備がつきまとっている。このように…

ハナトラノオ(花虎の尾)の懐かしい花

子供の頃からよく見てきたのがハナトラノオで、別名はカクトラノオ(角虎の尾)。それも夏休みの終わり頃によく見た憶えがあり、路傍に多く見られ、私にはほぼ雑草に近い花でした。ハナトラノオの原産地は北アメリカで、日本には大正時代に渡来しました。 シ…

シマトネリコの実

トネリコは落葉高木ですが、シマトネリコは熱帯や亜熱帯に自生するモクセイ科の常緑樹で、タイワンシオジが別名。明るい緑色の葉が落葉樹のように見え、「庭で育てる観葉植物」とも呼ばれ、近年人気の高い庭木。そのためか、湾岸地域の公園や歩道でも実によ…

キマダラカメムシ:補足

昨日キマダラカメムシとの再会を記したが、正確には「キマダラカメムシの幼虫との再会」。注で「終齢幼虫は次の脱皮で蛹になるか、成虫になるかという状態のものを指し、老齢幼虫、あるいは老熟幼虫はすぐ蛹か成虫になりそうな、成熟した幼虫を指すようであ…

マンデビラ・ラクサ(Mandevilla laxa)の白い花

マンデビラ・ラクサはチリアン・ジャスミンとしても知られていて、夏に香りの強い花を咲かせるつる性植物です。寒さに弱いため、冬は鉢植えにして室内に取り込みます。 「チリのジャスミン」とも呼ばれているようですが、本物のジャスミンではありません。マ…

ペパーミント、そしてスペアミントの花

ペパーミントの花が咲き出している。ペパーミントの和名はコショウハッカ、セイヨウハッカで、スペアミントとウォーターミントの交雑種と言われている。原産地はヨーロッパ大陸で、シソ科ハッカ属の多年草。乾燥に弱いものの、一度植えると、地下茎と種でど…

「世界の終戦(敗戦、降伏)日」番組

昨日は日本の終戦記念日だった。なぜ敗戦や降伏ではなく、終戦なのかは判然としないままだが、世界中の敗戦の日や勝利の日はどうなっているのか知りたいと思うのは私だけではないだろう。各国の終戦の日を同じ日に紹介するというアイデアはきっと却下される…

キマダラカメムシとの再会

毎年夏にキマダラカメムシを見てきたが、今年も無事に出会うことができた。キマダラカメムシの若い幼虫は淡褐色に黒と朱の横縞模様が背面全体に並び、成虫になるのが近い幼虫は粉を吹いたような暗い灰色に、規則的なオレンジ色の星が並ぶ(画像)。成虫は国…

個人と法人のお詫びの違い

台風到来の終戦記念日(あるいは敗戦記念日)になったが、78年前の正午に放送された「終戦の詔勅」、いわゆる玉音放送は分かりにくい表現であるとはいえ、お詫びと受け取れる部分がある。その部分を挙げてみよう。 「朕ハ帝國ト共ニ終始東亞ノ解放ニ協力セル…

ガザニアの白い花

ガザニアはキク科ガザニア属(クンショウギク属)の半耐寒性多年草、または1年草で、南アフリカ原産です。今見ることができるガザニアは野生種を元にヨーロッパで品種改良された園芸品種です。別名は花弁の形からクンショウギク(勲章菊)。 様々な色、シル…

ヤブガラシ(藪枯らし)の花

ヤブガラシの別名はビンボウカズラ(貧乏葛)。いずれの名前からも強烈な繁殖力が想像できる。私が住む湾岸地域でもあちこちで蔓延っている。そのヤブガラシが今花盛り。花は散房状の集散花序と呼ばれ、主軸の先端に花がつき、下から横枝が出て、その先から…

ボケの実

春のボケの花はとても好きなのですが、ボケの実は無関心でした。瓜の形に似ていることから「木になる瓜」で「木瓜」と書き、今は「ボケ」と呼ばれていま。昔から乾燥させた実を漢方薬として使っていたようで、現在も薬用にされ、さらに、香りがよいため、部…

ナツズイセンの花

ナツズイセン(夏水仙)はヒガンバナ科の有毒の多年草で、リコリスとも呼ばれる。8月も中旬に入り、ナツズイセンの花が目立ち出した。春にスイセンに似た葉を伸ばすが、夏には枯れる。葉が枯れた後に、花茎を伸ばして、ラッパ状の花を数個つける(画像)。花…

コミケの人たち

コミックマーケット102が有明の国際展示場で8月12,13日開かれている。昨日の12日は13万人を越えたらしい。集まる人たちは皆静かで、おとなしく、独特の雰囲気があるのだが、それはコロナ前と少しも変わっていない。 静かな人たちが歩く群れの中に入ると、こ…

アイビーの花

セイヨウキヅタ(Hedera helix) はヨーロッパや西アジアのほとんどの地域で自生しているウコギ科の被子植物で、別名がアイビー。セイヨウキヅタと言われると誰もわからないが、アイビーなら誰もがみんな知っていて、まるで月光仮面のようである。「つたのか…

ヘクソカズラ(屁糞葛)の花

猛暑にもまるで平気なのがヘクソカズラで、湾岸地域の植込みやフェンスのあちこちで花を咲かせている。ヘクソカズラはアカネ科ヘクソカズラ属の雑草。葉や実を揉んだり、傷つけたりすると悪臭がすると言われ、そのため、「屁糞葛」の名がある。中国では鶏屎…

中学生A君の夏休み学習

「諸行無常」は仏教の理念を示した「三法印(さんぼういん)」の一つ。三宝印は、 ・諸行無常(世の中のすべてのものは常に変化し、永久不変なものはない) ・諸法無我(すべてのものは因果関係にあり、独立しているものはない) ・涅槃寂静(煩悩をなくすこ…

ワルナスビ(悪茄子)の花

ママコノシリヌグイ(山野などに生え、ピンク色の米粒のような花をつける。茎に棘があり、この棘で継子(ままこ)の尻をふいた、という意味で名づけられた幼児虐待のような名前)と同じように棘をもつのがワルナスビで、こちらの棘も痛く、敬遠したくなる。…

波除(なみよけ)神社の供養塚

住吉神社の鰹塚を記した際に波除神社の塚に言及しました。住吉神社以上に狭い境内に供養塚がひしめいているのが波除神社で、築地の喧騒がそのまま境内に持ち込まれています。波除神社の祭神は倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、つまりは稲荷大神で、それゆ…

ハンショウヅルの花

キンポウゲ科センニンソウ属のクレマチスは丈夫な蔓を伸ばし、大きな花を咲かせます。「蔓性植物の女王」であるクレマチスは本来北半球に野生で生えていた植物で、樹木など、近くのものに蔓を絡ませて生長し、大きい物だと5m以上になります。中国原産の「テ…

ウクライナのヒマワリ

一面の田圃、一面の麦畑、一面のトウモロコシ畑は雄大に見えるのだが、不自然な風景でもある。人が自然を自分の都合で変えてしまった風景で、眼に入る限りのトウモロコシ畑などは生物多様性に真っ向から反対する事例である。ワインをつくるためのブドウ畑や…

住吉神社晴海分社

昨日鰹塚について記しましたが、その鰹塚は昭和28年東京鰹節類卸商業協同組合によるものでした。「東京鰹節センター」は中央区の晴海3丁目にあります。かなり大きなビルで、東京鰹節類卸商業協同組合の89の鰹節問屋が入り、ビルには鰹節取引所があり、毎月2…

ナミアゲハ

ゴマノハグサ科のブッドレアは長い円錐形の花穂が甘く香り、そこに多くのチョウが集まります。そのため、英語名は「バタフライブッシュ」。ブッドレアは中国西部を原産とするフサフジウツギ(房藤空木)を原種とした園芸品種の総称。湾岸地域にはブッドレア…

アカメガシワの雄花

アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)は子供の頃から知っていて、いつも見ていたせいか、名前を調べる気も起らなかった。その名前を知ったのは私が中年になってから。アカメガシワは落葉高木で、春にでる若葉は紅色をしている。花期は6 - 7月で、枝先に穂になって…

住吉神社の鰹塚

例祭が終わった住吉神社には明治2年に建てられた水盤舎があり、その隣にあるのが鰹塚。久し振りに見る鰹塚は何とも大きく、見事な姿のままだった。下町の神社には色んな塚や碑が多いのだが、この塚は抜きんでて立派である。塚石は鞍馬石(高さ七尺、幅四尺)…