住吉神社晴海分社

 昨日鰹塚について記しましたが、その鰹塚は昭和28年東京鰹節類卸商業協同組合によるものでした。「東京鰹節センター」は中央区の晴海3丁目にあります。かなり大きなビルで、東京鰹節類卸商業協同組合の89の鰹節問屋が入り、ビルには鰹節取引所があり、毎月2回の競(せり)も行われています。事務所に声をかけたら一般の人にも鰹節を売ってくれるそうです。そして、その敷地内に住吉神社晴海分社があります(画像)。

 江戸時代前期に大坂で鰹節の問屋が生まれ、紀伊や土佐から鰹節を仕入れ、大坂や京都などの消費地に供給しました。18世紀には江戸でも鰹節の消費が増え始めます。1923年の関東大震災前まで日本橋から江戸橋にかけて魚河岸(魚市場)があり、日本橋小舟町には多くの鰹節問屋があり、鰹節が集まっていました。1887(明治20)年に東京鰹節問屋組合(現東京鰹節類卸商業協同組合)ができ、1927(昭和2)年「にんべん」が東京鰹節問屋組合の合同入札場を寄付しました。1971年日本橋小舟町の鰹節問屋と入札場が晴海に移転し、東京鰹節センターとなります。

 晴海通りのトリトンスクエアの反対側は現在ビルの工事中ですが、その隣にあるのが「東京鰹節センター」。近づくと、鰹節の何とも言えないいい匂いがしてきます。センターの敷地内に住吉神社の晴海分社があります。分社は日本橋小舟町の「東京鰹節荷捌所」に祭られていましたが、晴海に移転してきた際に一緒に移されました。とても小さな分社ですが、見事な住吉様で、とても清潔な境内です。