深山含笑の実

 子供の頃だけでなく、大人になっても見たことがなかったのがミヤマガンショウ。中国原産のモクレンオガタマノキ属の常緑高木。2~3月頃にハクモクレンに似た一重から二重の白色で芳香をもつ花を開花させる(画像)。ハクモクレンより開花が早いのがミケリアマウディアエ(Michelia maudiae)の特徴で、その別名が「深山含笑」、大輪オガタマ、ミケリアなど。どうして「シンザンガンショウ」ではないのか訝りながらも、その名前は謎めいていて、好奇心をそそる。カラタネオガタマ(唐種招霊)は、中国南部原産のモクレン科の花木で、江戸時代に日本に渡来。トウオガタマ(唐招霊)とも呼ばれ、ミヤマガンショウと同じ常緑のオガタマノキ属。カラタネオガタマの花は、バナナのような香りがするのが特徴で、中国名は「含笑」、「含笑花」。花びらが全開せず、含み笑いのような花の形からきていて、それがミヤマガンショウの由来ではないのか。

 兎に角、ハクモクレンと異なるのはミヤマガンショウが常緑という点で、タイサンボク、カラタネオガタマのように常緑のタイプのモクレン科の花木。画像の果実は色づき始めのもの。熟した心皮は楕円形で、わずかに扁平である。果期は9~10月。

f:id:huukyou:20200913042955j:plain

f:id:huukyou:20200913043017j:plain

f:id:huukyou:20200913043037j:plain

f:id:huukyou:20200913043058j:plain