13日の菊

 9月9日は奇数(陽数)9が重なる「重陽節句」。五節句の一つで、菊を用いて不老長寿を願うことから「菊の節句」とも呼ばれてきた。1月7日の七草粥、3月3日の桃の節句/雛祭り、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句、9月9日の重陽節句五節句として江戸時代に定められた。今では重陽節句五節句の中でも影が薄くなったが、五節句を締めくくる行事として、昔は最も盛んだった。節句は行事と関係する植物の名前で呼ばれるが、1月7日は七草の節句、3月3日は桃の節句、5月5日は菖蒲の節句、7月7日は笹の節句、そして9月9日は菊の節句。菊は昔から薬草として用いられ、延寿の力があるとされ、平安時代に中国から伝来した珍しい菊を眺め、菊を用いて厄祓いや長寿祈願をしていた。「六日の菖蒲、十日の菊」とは「間に合わない」ことを意味する諺で、13日の菊となれば、後の祭りもいいところ。

 ところで、日本の国花は菊か桜か?実はどちらも国花。公的には菊、人気では桜。広辞苑では『桜または菊』と記載されている。パスポートの菊は「六一重表菊」、菊の御紋は「十六八重表菊」。菊の御紋は花弁と花弁の間に、さらに花弁が見える。