タデ(蓼)の花

 子供の頃、あちこちに繁茂していたのがタデ科イヌタデ。「蓼食う虫も好き好き」と言われますが、タデは食べると辛味があり、それを好んで食う虫もいるということで、「辛い蓼を食う虫がいるように、人の好みはさまざまである」(広辞苑)という意味です。でも、「イヌタデ」は食べても辛くないので「イヌ」がついたようです。別名が「アカマンマ」で、子供のママゴトから出た名前です。

イヌタデに対してタデはマタデ(真蓼)、あるいはホンタデ(本蓼)と呼ばれますが、正式の名前はヤナギタデ(柳蓼)。

タデ科のオオイヌタデは日本全土の道端や荒れ地、河原に生えています。花序は長さ3〜7cmと長くて先は垂れ下がり、淡紅色または白色の花をつけます。花期は6〜11月。花の穂は3センチメートルから7センチメートルほどで、ゆるやかに垂れる傾向があります。花色は白色から濃いピンク色で、個体差がかなりあります。

 オオイヌタデは湿った野原に多く生えますが、道ばたや荒れ地などの比較的乾燥した場所にもよく見られます。湾岸地域では空き地が減って、姿を見る機会が随分と減りましたが、できたばかりの児童公園に小さな群生を見ることができました。

イヌタデ

オオイヌタデ

オオイヌタデ