センニチコウ(千日紅、別名センニチソウ))の白い花を見ると、シロツメクサを連想するのは私だけではないだろう。シロツメグサは野草だが、センニチソウは園芸種と片付けたのでは興なしだが、センニチソウの花のように見える球体の部分は、苞(ほう)と呼ばれる葉の集まりで、花びらをつけず葉が変化した苞が白やピンク、紫などに色づく。一方、シロツメグサは小さな蝶形の花が球状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)をつくっていて、それが一つの花のように見えている。つまり、私たちがシロツメグサの花と思って見ていたのは花の集合で、苞を花だと思って見ていたのがセンニチコウ、ということになる。これなら少しは味がある。
身近なシジミチョウの仲間でよく見られるのがベニシジミとヤマトシジミ。「蓼食う虫も好き好き」と言われるが、ベニシジミの幼虫はスイバなどタデ科のすっぱい植物だけを食べる。草地のシジミチョウは、雄が青、雌が黒い翅表をしたものが多いが、ベニシジミは雌雄ともに赤色である。鮮やかな赤と黒のコントラストは美しい。