メキシコマンネングサの花

 メキシコマンネングサ(メキシコ万年草)は、ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草。日本に帰化した植物なのだが、「メキシコ」という地名が入りながらも、原産地が不明という変わり種。帰化植物は人間の活動とともに生まれたと言ってもよいほど非常に古い歴史があり、世界に分布する雑草のほとんどは帰化植物。近世以降人間の移動が飛躍的に広がり、生物の移動もはるかに多くなった。他国と領土がつながっている場合、外から侵入したものを判別するのは厄介である。その点、日本は帰化植物の判別がかつては容易だった。

 メキシコマンネングサは本州の関東地方以西〜九州の日当たりのよい道ばたなどに生える。茎は直立して高さ10〜17cmになる。葉は鮮緑色で光沢があり、長さ1.3〜2cmの線状楕円形、花は黄色で直径0.7〜1cm。花期は3〜5月で、今咲いている。観賞用に栽培していたものが帰化したと考えられている。

帰化植物から帰化生物、さらには人の帰化を考えていくと、外国人、移民、難民と類似の概念がつながって出てくる。そして、そんな区別の連なりは、人がいかに抵抗しても風化によって消えて行く。

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