既にキブシ(木五倍子)について記しました。枝打ちされたせいで、花が随分と貧弱だったのですが、昨日十分に花をつけた別のキブシを見ることができました。キブシ科のキブシは雌雄異株の落葉低木で、和名は果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことに由来します。
早春、いち早く咲くブドウのような花が幻想的な風景を作るキブシには、前年に伸びた枝に小花の密集した花穂がぶら下がり、小花は直径7ミリほどの鐘型で、淡い黄色の花弁と萼が4枚ずつあります。雌しべは1本、雄しべは8本あり、雄株に咲く雄花では雄しべの方がより長く、雌株に咲く雌花では雌しべの方が長くなっています。花には長さ0.5mmの短い花柄があり、花は長さ7-9mmの鐘形になります。キブシは日本固有種で、日本にはキブシ1種だけが自生します。
*画像は雄花