ホシホウジャク

 既にホウジャクやオオスカシバについて記しました。いずれも昼行性の蛾で、スズメガの仲間です。「ホウジャク(蜂雀)」は容姿が蜂に似ていることからつけられました。スズメガの成虫は三角形の翅をもち、これをすばやく羽ばたかせて、種類によっては時速50km以上の高速で移動します。また、ホバリングすることができ、その状態で樹液や花の蜜を吸引します(画像)。実物を見ていると、こんな説明を吹っ飛ばすような見事なホバリングに惹きつけられてしまいます。

 スズメガの仲間の多くは夜行性ですが、ホウジャク類は昼間に活動します。前後に羽ばたきながら空気の渦を作り出し、常に一定の揚力を得られるような羽ばたき方をして、ハチと同じように自在にホバリングできるようになっています。

 ホシホウジャクの成虫は全体にこげ茶色ですが、後翅のみ黄褐色で、飛んでいるとよく目立ちます。空中でホバリングをしながら吸蜜し、花にはとまりません。

 スズメガ科のオオスカシバは夏から秋に、うぐいす色の太い胴体を持ち、透明の翅を素早くはばたかせて直線的に飛びます。腹部に赤褐色の帯があり、腹端には黒色の毛束をもち、腹面は白です。日中に活発に活動し、ホバリングしながら、色々な花で吸蜜します。オオスカシバは都会の公園でも普通に見られます。

*最後の画像のウラナミシジミが静止しているのに対し、ホシホウジャクやオオスカシバはホバリングしています。

ホシホウジャク

ホシホウジャク

オオスカシバ

ウラナミシジミ