クリスマスローズはキンボウゲ科の多年草で、ヨーロッパや西アジアが原産。「クリスマスローズ」は俗称で、クリスマスローズ属の総称からヘレボルス(Helleborus)と呼ばれています。ヘレボルスはギリシャ語の「殺す」と「食べ物」からの造語で、可憐な姿からは思いもよらない名前。その由来は、かつて狩りの際にクリスマスローズの根に含まれる毒が使われていたためと言われています。欧米では春咲きのヘレボルスを「レンテンローズ(Lenten rose, Helleborus orientalis)」、冬咲きのヘレボルスを「クリスマスローズ(Helleborus niger)」と区別しています。いずれもキンポウゲ科クリスマスローズ属ですから、よく似ています。
クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物。人気の高い多年草で、多くは常緑。かつては濁った花色で花弁によれがある花でしたが、改良が進み、濁りのない花色、丸い花弁、整った花形を目指して品種改良が行われ、今では見事な花色、花形になっています。
ヘレボルスの花は「がく(萼)」が発達した萼片で、花弁は退化し、小さな蜜腺になっています。下向きで咲くものが多く、花の内側はなかなか見ることができません。それがまた私たちの興味を惹くのです。