ハッサクの花

 ハッサクは誰もがその味を知る日本原産のミカン科の柑橘類。「八朔」とは8月1日のことで、万延元年因島浄土寺の恵徳上人が発見した。因島には古くから多くの種類の雑柑があった。東南アジアまで勢力を広げ活躍した村上水軍が、遠征先から苗木や果実を持ち帰ったのかも知れない。ハッサクは誰かが食べ捨てた果実の種から発芽したと言われているが、詳細は不明。

 ハッサクという名前がついたのは、当時ハッサクが陰暦の8月1日頃から食べられていたことに由来するらしい。現在の旬の時期とはかなり違っている。当時人々の間で流行っていた柑橘類は「夏みかん」だった。ハッサクがようやく一般に出回るようになったのは戦後のこと。

 果肉は歯ごたえがあり、適度な甘さと酸味を持ち、少し苦味もある。最近は高糖度の甘い柑橘がもてはやされるが、ハッサクはそれらとは一線を画している。美味しく食べられる旬は2月から3月。

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