ハッサクの青い果実

 1日を朔日(さくじつ)と呼んだことから、旧暦の8月1日(新暦の8月27日)は「八月朔日」、略して「八朔」。「八朔」の頃には食べることができるということから、八朔と呼ばれるようになったと伝えられているようです(画像のハッサクはまだ青い)。

 ハッサクは日本原産のミカン科の柑橘類です。万延元年因島浄土寺の恵徳上人が発見しました。因島には古くから多くの種類の雑柑があり、東南アジアまで勢力を広げ活躍した村上水軍が、遠征先から持ち帰ったのかも知れません。ハッサクは誰かが食べ捨てた果実の種から発芽したと言われていますが、詳細は不明です。

 当時人々の間で流行っていた柑橘類は、ミカンの他には「夏みかん」でした。ハッサクがようやく一般に出回るようになったのは戦後のことです。果肉は歯ごたえがあり、適度な甘さと酸味を持ち、少し苦味もあり、スッキリしています。ハッサクは最近の甘い柑橘類とは随分違います。ハッサクが美味しく食べられる旬は2月から3月です。