シコンノボタンの紫紺の花

 シコンノボタン(紫紺野牡丹、Pleroma semidecandrum)はデュランタの花色に似た紫紺の花を咲かせるブラジル原産の常緑低木です。濃いビロードのような質感の葉と、10 cm以上にもなる花が美しく、多くの人に好まれています。

 紫紺の「ノボタン」はノボタン科ティボウキナ属(和名シコンノボタン属)の常緑低木で、湾岸地域のあちこちでその花を愛でることができます。

 中南米原産のシコンノボタンは大輪の花が美しく、別名の「スパイダーフラワー」は、紫色の雄しべ10本のうちの5本が長く、葯(雄しべの花粉を入れる袋)の部分がクモの節のように曲がっているためです。色と形がミックスした見事な花姿は私たちに美を享楽する時間を与えてくれます。私は一輪のシコンノボタンの花の見事さに惚れ惚れするのですが、それが木全体に満開となると、印象が違ってきます。画像のようにうるさい程に花が多いと、一輪の妖しさは消え、集団の花姿に変わり、異なる印象が生まれます。何とも贅沢なことです。

*最初の画像に見えるのはチャバネセセリ