ハナミズキの花

 ハナミズキはミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。私はヤマボウシが好きなのですが、ハナミズキの別名はアメリヤマボウシで、二つはよく似ています。でも、見比べると違いがあることがわかります。例えば、花の時期。ハナミズキは湾岸地域では既に咲き終えていますが、ヤマボウシは6月以降。そして、ヤマボウシの総苞片(そうほうへん)は先端が尖っているのに対して、ハナミズキの総苞片は丸みがあり、先端が窪んでいます(画像)。これはどうしてなのでしょうか。

 ハナミズキの「花」は本来の花弁ではなく、総苞片と呼ばれる花のつけ根の葉です。最初の画像は総苞片の先端が合着したまま頭状花が開花しています。次の二つの画像は総苞片が開いた状態で頭状花が開花しています。

 花芽は4枚の総苞片がしっかりと閉じ合わさり、中にある両性花を保護しています。開花時期を迎えると、この総苞片が開き、美しい花びら状になります。その総苞片の先端に閉じ合わさってきた痕跡が凹型となって残っているのです。

 要するに、ハナミズキの花びら(総包片)の先端は、開く前に4枚の総包片がつなぎ合わさっていた「のりしろ」のような部分で、それがちぎれるように開くので、最終的に先端が欠けた「花びら」のような形に見えるのです。