ハナミズキの花たち

 ハナミズキ(花水木)はミズキ科の落葉高木。北アメリカ原産のハナミズキの名は、水木の仲間で、花が目立つことから、別名のアメリヤマボウシは日本の近縁種のヤマボウシに似ていることからつけられた。1912年に当時の東京市長尾崎行雄ワシントンD.C.ソメイヨシノを贈り、1915年にその返礼としてハナミズキが贈られたのが日本での植栽の始まり。4月に入り、湾岸地域でも花が開き始めている。バージニア州ノースカロライナ州では州花に、アトランタでは市花になっている。その後東京周辺に普及し、湾岸地域でも目立つようになっている。

 ハナミズキヤマボウシはよく似ているが、違いがある。例えば、花の時期。ハナミズキの花は今咲いているが、ヤマボウシは6月以降(春のハナミズキ、初夏のヤマボウシ)。そして、ヤマボウシの総苞片(そうほうへん)は先端が尖っているのに対して、ハナミズキの総苞片は丸みがあり、先端が窪んでいる(画像)。ハナミズキヤマボウシの「花」は本来の花弁ではなく、総苞片と呼ばれる花のつけ根の葉。最初の画像は総苞片の先端が合着したまま頭状花が開花している。次の画像は総苞片が開いた状態で頭状花が開花している。ハナミズキの花びら(総包片)の先端は、開く前に4枚の総包片がつなぎ合わさっていた「のりしろ」のような部分で、それがちぎれるように開くので、最終的に先端が欠けた「花びら」のような形に見える。