ヒトツバタゴの花

 既述のシロバナマンサクの花に似た白い花をつけるのがヒトツバタゴで、4月末に白い花をつけます。でも、棘のようなシロバナマンサクの花と帯のようなヒトツバタゴの花は随分と印象が違います(画像を見比べて下さい)。

 ヒトツバタゴの原産地は中国福建省。枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体は円錐形になる)を出し、白い花をたくさんつけます。4つに深く裂けた花びらは細く、満開時には全体に雪が降り積もったように見えます(画像)。

 ヒトツバタゴは絶滅危惧II類に登録されています。別名の「ナンジャモンジャの木」はその地方には珍しい樹種や巨木をさす呼称で、一つ葉たご(ヒトツバタゴ)に限定されるものではありません。和名は「一つ葉のタゴ(トネリコの別名)」に由来し、トネリコが複葉なのに対し、ヒトツバタゴが単葉であることを表しています。

 ヒトツバタゴはモクセイ科の落葉広葉樹で、日本以外では朝鮮半島や台湾にも分布が見られます。