春の兆し

 2月も末になれば、春の声が聞こえてくる。世の中はコロナ騒ぎが続き、ロシアのウクライナ侵攻が問題になっていて、春を楽しめる状況とは言い難い。

 湾岸地域のタンポポの花は年中見ることができ、珍しくもないのだが、冬から春にかけてのタンポポは独特の姿をもっている。寒さが厳しい冬を越すのにタンポポは葉を地面に近いところで放射状に広げる。この状態が「ロゼット」で、その利点は風の当りが少ない、太陽の光を全面で受ける、太陽で暖められた地面の熱を受けやすい等々、である。

 オオイヌノフグリは既に述べたが、次第にあちこちに顔を出してきていて、群落ができつつある。オオイヌノフグリは明治の初めにヨーロッパから伝わってきた帰化植物。やはり地面を這うように育ち、とても丈夫で繁殖力が強く、花は太陽に反応して咲き、日が暮れるとしぼむ1日花である。

 カラスノエンドウも咲き始めた。3月に大群落ができるのだが、今はまだ点在する程度である。カラスノエンドウマメ科ソラマメ属の野草。カラスノエンドウという名前の由来は、種子が熟すと真黒になるのが、カラスを連想させるからと言うのだが、漢字にすると「烏野豌豆」で、「カラス-ノエンドウ」。カラスノエンドウの別名は「ヤハズノエンドウ」で、ヤハズ(矢筈)とは矢のお尻にある、弓に掛けるためのくぼみのこと。ヤハズノエンドウの葉には矢筈に似た小さなくぼみがあるからと言われている。

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