2024-01-01から1年間の記事一覧

ツボサンゴの花と葉

ツボサンゴ(壺珊瑚、ヒューケラ)は北米原産で、ユキノシタ科の常緑多年草(宿根草)です。英名はCoral bellsです。葉は直径3~10 cmの円形で、葉周囲に切れ込みがあります。葉の色は緑、橙、赤、黄色、灰色、斑入りなどがあり、実に豊富です(画像は緑)。…

ホソヒラタアブを見つめると、…

アブは複眼の付き方によって雌雄の区別ができます。頭の上で複眼がくっつき合っているのが雄、離れているのが雌です(画像はどちらでしょうか?)。 ホソヒラタアブの幼虫はアブラムシを次々に捕食して育っていきます。アブラムシは多くの植物に無数にいて、…

ナワシロイチゴの花

ナワシロイチゴ(苗代苺)はバラ科キイチゴ属の這性落葉低木で、枝や萼に棘があります。キイチゴの仲間で、初夏に薄紅~紅紫色の五弁花を咲かせます。そのナワシロイチゴの花が咲いています。花の後に、鮮赤色の宝石のような集合果をつけますが、球状の果実は…

エゴノキの花たち

樹木一杯に咲き誇っているのがエゴノキの花。エゴノキは全国の雑木林に多く見られ、湾岸地域でもよく見かけます。名前の由来は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことから。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々…

ハルジオンの花たち

シオンから「春に咲く紫菀」として「ハルジオン(春紫菀)」と命名したのが牧野富太郎。同類のヒメジョオン(姫女菀)とよく似ていることから、ハルジョオンとも呼ばれています。そのハルジオンの花が道端や空き地などに咲いています。ハルジオンは高さが30~1…

コトネアスターの花

コトネアスターは中国原産で、枝がアーチ状に伸びる。「コトネアスター」はベニシタン(紅紫檀、Cotoneaster horizontalis)の別名としても使われるが、シャリントウ属の総称でもある。春には紅色〜白色の花がたくさん咲き、秋には横に広がる枝に小さな葉と…

ピラカンサの花

ピラカンサ(トキワサンザシ)属にはトキワサンザシ、タチバナモドキ、カザンデマリが含まれていて、今は総称してピラカンサ(ス)と呼ばれています。ですから、ピラカンサと聞いて、北原白秋の「この道」を思い出す人は少ないと思います。 この道はいつか来…

アマリリス

アマリリスは真っ直ぐな太い茎に、大きな花を咲かせます。アマリリスはヒガンバナ科の植物の総称で、原産は中南米・西インド諸島。アマリリスは人気があり、多くの園芸品種がつくられてきました。地中に鱗茎をつくる多年草で、その花はユリに似て、六弁の大…

ギシギシ??

ナガバギシギシ(長葉羊蹄、Rumex crispus)はヨーロッパ原産で、タデ科ギシギシ属の外来種。ギシギシの仲間には、ギシギシ(羊蹄、Rumex japonicus)やエゾノギシギシなどがあり、湾岸地域でも道端などでよく見かける植物です。ナガバギシギシの花は緑色で…

万緑叢中紅一点

「万緑叢中紅一点、動人春色不須多(万绿丛中红一点、动人春色不须多)」は北宋の詩人、王安石の詩の一節です。「一面の緑の中に鮮やかな赤の柘榴の花が一輪咲いている。人を感動させる春の景色に多くは要らない」という意味です。「紅一点」は王安石の「詠…

春のモミジ

モミジは4月頃に花が咲く。花は地味だが、紅い小さな花弁から白い雄しべが飛び出している。花が終わると、すぐにブーメランのような翼果(よくか)をつける。モミジの実はプロペラ状の翼がある翼果で、赤く色づき熟すと、その翼で風に乗り、クルクルと回転し…

ニワゼキショウの仲間たち

5月に入り、草地にはニワゼキショウの仲間たちが花をつけ出しています。どれも小さい花ですが、ニワゼキショウやオオニワゼキショウはアヤメ科ニワゼキショウ属の一年草で、アヤメの仲間です。ニワゼキショウには6枚の花びらがあるように見えますが、花びら…

エニシダ属の花たち

マメ科エニシダ属の仲間には、エニシダ(金雀枝、金雀花、夏の季語)の他に、黄色に赤いぼかしが入るホオベニエニシダ(頬金雀枝紅)、シロバナエニシダ(白花金雀枝)があります。湾岸地域ではどちらも元気に花をつけています。 ホオベニエニシダ、シロバナエ…

シャクヤクの花

既に記したシャクヤク(芍薬)はボタン科の多年草。初夏に大形のボタンに似た花が咲くのだが、今年は既に花が開いている。シャクヤクは中国やモンゴルなど東アジアが原産で、日本へは平安時代以前に薬草として伝わり、その後観賞用として多種類の園芸品種が…

分裂と共存の二つの例

小学何年生の時か忘れたが、一度遠足で林泉寺を訪れたことがある。それは兎も角、「春日山」、「林泉寺」とはどんな名前なのか。かつて寺は修行の場として山中を選んで建立された。「…山」は「山号」と呼ばれ、中国で寺の所在を示すためにその寺のある山名を…

シランの花が咲く

シラン(紫蘭)は、ランの仲間で、野生のものは何と準絶滅危惧種です。でも、園芸品種として広く普及していて、今はあちこちで赤紫色の花を咲かせています。ラン科の植物には珍しく、栽培が容易で、庭や公園に広く植えられています。とても丈夫な植物で、と…

ハクチョウゲの花

公園や歩道でよく見るハクチョウゲの花が咲いている。初夏に緑の葉の上に雪が降ったように小さな花を咲かせるのがハクチョウゲ。花は一重で、直径は1cmほどと小さい。花の先端は5つに裂け、外側には淡い紫色が入る。ハクチョウゲは湾岸地域でも広く植栽され…

シルバーリーフのグミの花

アキグミやナツグミよりずっとおしゃれなグミが「ロシアンオリーブ」と呼ばれるシルバーリーフのグミです。名前は「オリーブ」ですが、グミの仲間の落葉樹です。美しいシルバーの葉、赤い実は食用にもなります。 既にアキグミもナツグミも花は終わっているの…

小さなアヤメたちとの再会

毎年、この時期になるとチリアヤメの花が待ち遠しく、地面を探すのだが、昨日やっと見つけることができた。画像は今年最初のチリアヤメ。 アヤメ科のチリアヤメは学名からハーベルティアとも呼ばれている。背丈が低く、コンパクトなサイズで、普通のアヤメと…

ムラサキツユクサの花

夏の早朝、露に足を濡らしながら見たツユクサの青色は今でもしっかり憶えている。ツユクサは野生種で、今ではムラサキツユクサはその園芸種の名前で通っている。そのムラサキツユクサが既に咲き出していて、ツユクサより大柄で、花もずっと大きい。 ムラサキ…

アルストロメリアの花

チリを中心に南米に60~100のアルストロメリアの野生種が分布し、その花姿から「ペルーのユリ」、「インカ帝国のユリ」などの異名があります。和名は「ユリズイセン(百合水仙)」。 渡来は1920年代ですが、当時は広く普及せず、本格的に栽培されるようにな…

ヒロハヒナユリとチョウジソウの花 

クサスギカズラ科のヒロハヒナユリの流通名は学名のカマシア・クシキー(Camassia cusickii)で、花期は今頃。草丈が60~80㎝の球根植物で、その原産地は北アメリカ。茎頂に総状花序をだし、5㎝程の花を数個つける。花の色は淡青色や白。 キョウチクトウ科の…

セイヨウオダマキの花

キンポウゲ科オダマキ属のAquilegia vulgarisの和名が「セイヨウオダマキ」で、既にその花について記しました。セイヨウオダマキは北ヨーロッパからシベリアに広く分布しています(画像)。セイヨウオダマキの花弁に見える部分は萼(がく)で、花弁は筒状の…

トチノキ、あるいはマロニエについて

子供の頃、私はトチノキも栃餅も知りませんでした。当然ながら、マロニエがセイヨウトチノキだとも知りませんでした。パリのシャンゼリゼ通りのマロニエ並木はトチノキとは結びついていませんでした。私のマロニエはサルトルの小説『嘔吐』の中のマロニエ。…

モミジの赤味のついた実

モミジは4月に花が咲く。モミジは雌雄同株で、雄花と両性花をつけるが、その地味な花が終わると、すぐ実(種)ができはじめる。新緑が鮮やかなので、つい見落しがちだが、びっしり枝の先にぶら下がる。どれもブーメランのような形の羽の中に赤味のある実(種…

凪のとき

普通ならば、風がない状態、つまり、凪は海風から陸風へ切り替わるとき、そして、陸風から海風へ切り替わるときに起こる。凪の反対は時化(しけ)だが、東京湾は滅多に時化ない。凪のとき、海面は鏡と化し、煙は直上し、景色は静止画像のように見える(実際…

ハゴロモジャスミンの花たち

ハゴロモジャスミンはモクセイ科ソケイ属の半常緑性の蔓性の低木。開花時期は4〜5月で、今湾岸地域ではあちこちでピンク色の蕾と白い花を見ることができます。花には強く甘い香りがあり、蔓を絡ませながらその香りを漂わせています。 ハゴロモジャスミンはジ…

スズランの花たち

スズラン(鈴蘭)はスズラン亜科スズラン属の多年草植物。学名のConvallariaはラテン語の谷(Convallis)に由来。「君影草(きみかげそう)」、「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」が別名。「ラン」とついていても、ラン科ではなくキジカクシ科(旧科名ユ…

スイセンアヤメの花

アヤメ科のスイセンアヤメ(水仙文目、Sparaxis tricolor)の別名はスパラキシス。よく植えられているのは、花が白色で中央が黄色のSparaxis tricolor'Alba Maxima'という品種(画像)。スパラキシスはフリージアに少し似ていて、フリージアと同じように南ア…

クレマチスの花たち

クレマチスはキンポウゲ科の蔓性の植物で、既に何度も記してきました。大きな花を咲かせるのが特徴で、独特の雰囲気を持っており、品種によって様々に異なる花姿を楽しむことができます。 カザグルマは日本固有種、テッセンは中国、クレマチスはヨーロッパと…