シランの花が咲く

 シラン(紫蘭)は、ランの仲間で、野生のものは何と準絶滅危惧種です。でも、園芸品種として広く普及していて、今はあちこちで赤紫色の花を咲かせています。ラン科の植物には珍しく、栽培が容易で、庭や公園に広く植えられています。とても丈夫な植物で、とかく栽培が面倒なランの仲間ではこの花ほど親しまれているランはなく、野生種か植栽かの区別がつかなくなっています。別名は紅蘭(ベニラン)、朱蘭(シュラン)。

 シランは春になると、地下に連ねた扁平な地下球(偽球茎)からササのような葉茎を伸ばし、先端に紫紅色の華麗な花を咲かせます。晩秋には葉を落とし休眠します。俳句の季語は夏で、咲き誇るシランは今年の暑さを予言するかのようです。

 画像のシランの花は紫紅色ですが、花の色が白色のもの、斑入りのもの、淡色花、花弁が唇弁化した「三蝶咲き」など多彩です。