シランの花が咲く

 シラン(紫蘭)は、ランの仲間で、野生のものは何と準絶滅危惧種です。でも、園芸品種として広く普及していて、今はあちこちで赤紫色の花を咲かせています。ラン科の植物には珍しく、日向の畑土でも栽培でき、庭や公園に広く植えられています。とても丈夫な植物で、とかく栽培が面倒なランの仲間ではこの花ほど親しまれているランはありません。そのためか、野生種か植栽かの区別がつかなくなっています。別名は紅蘭(ベニラン)、朱蘭(シュラン)。

 シランは春になると、地下に連ねた扁平な地下球(偽球茎)からササのような葉茎を伸ばし、先端に紫紅色の華麗な花を咲かせます。晩秋には葉を落とし休眠します。俳句の季語は夏で、咲き誇るシランは暑さを予言するかのようです。

 シランの花は紫紅色ですが、花の色が白色のもの、斑入りのもの、淡色花、花弁が唇弁化した「三蝶咲き」などがあり、画像は普通の紫蘭と白花紫蘭(シロバナシラン)です。「白花紫蘭」とは形容矛盾気味で、別名の「白蘭(ハクラン)」の方が名前としては筋が通っています。画像は白い花の中心がピンク色に染まる品種で、その姿が口紅を塗った様に見えることから、口紅紫蘭と名付けられています。白とピンクのコントラストが妙に生々しく感じられます。

f:id:huukyou:20210501052611j:plain

f:id:huukyou:20210501052635j:plain

f:id:huukyou:20210501052649j:plain

f:id:huukyou:20210501052707j:plain

f:id:huukyou:20210501052723j:plain