スズランの花たち

 スズラン(鈴蘭)はスズラン亜科スズラン属の多年草植物。学名のConvallariaはラテン語の谷(Convallis)に由来。「君影草(きみかげそう)」、「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」が別名。「ラン」とついていても、ラン科ではなくキジカクシ科(旧科名ユリ科)。

 スズランは春の訪れを知らせる代表的な花。日本で馴染みがあるのは、ヨーロッパ原産のドイツスズラン(Convallaria majalis)で、日本原産のスズランよりも大型で、丈夫です。スズランの花はとても美しいのですが、有毒です。

 別名の「君影草」、「谷間の姫百合」、「真珠梅」はいずれも花の形や英名「Lilly of the Valley」、「May lilly」から生まれたと考えられています。

*学名はConvallaria majalis var. keiskei (Miq) Makino で、属名は「Convallis(谷)」と「leirion(ユリ)」の合成語、種小名は「5月に谷に咲くユリ」という意味。keiskei(伊藤圭介)、Makino(牧野富太郎)は植物研究者の名前で、日本のスズランが変種であることを示している。その花の姿はバルザックの『谷間の百合(Le Lys dans la vallée)』、島崎藤村の『千曲川のスケッチ(「谷の百合」)』などに登場。

フィンランドの国花。