2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

カネノナルキの花

カネノナルキ(金のなる木)は昭和を代表する観葉植物ですが、今は随分と減りました。カネノナルキはベンケイソウ科クラッスス属の南アフリカに分布する多肉植物です。園芸名はカゲツ(花月)、和名はフチベニベンケイ(縁紅弁慶)。カネノナルキは、乾燥や…

ビオラの花たち

ビオラ(Viola)はスミレのラテン語名ですが、パンジーとの区別は何とも曖昧です。花径5cm以上をパンジー、4cm以下をビオラとすることが多いようです。パンジーはヨーロッパの野生の「スミレ」から改良されたものです。花は秋から春にかけて咲き、今頃はパン…

降雪量の功罪

雨が長く降らないと、その先に待っているのは砂漠化。雨が降り過ぎると、その先には洪水や氾濫が待っている。適度に雨が降ると、作物が育つ。これは雨に限らず、気象のどの項目にも成り立つ。だから、雪も同じで、適度な雪はふるさとに利すること大である。 …

イベリスの花

冬の花壇の定番の一つがイベリス。イベリスは小さなかわいい花が株を覆うように咲き、花壇を彩る。その名前はスペインの昔の国名イベリアに由来し、イベリアに多く自生していることからつけられた。4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花…

ドラセナの花

我が家には20年来の観葉植物が家の誰からも半ば無視される形で生き続けている。実際、誰も名前さえ知らない儘だった。そんな冷たい家族の中で文句も言わずに居間に居続けていた。その木の上に新しい枝が伸び出したのは今年の正月で、蕾が幾つもつき出し、甘…

山越阿弥陀図と神仏習合

「山越」という名字や地名は日本中にある。その原義は「山を越える」ことだが、近くを探せば、上越市板倉区に山越(やまごし)がある。山の稜線は此岸と彼岸を隔てる仕切りと捉えられ、それを越すことが浄土に行くことだった(長岡市のヤマコシは「山古志」…

食用菊の花

青森県に古くから伝わる食用菊が「阿房宮(あぼうきゅう)」。鮮やかな黄色い花びらは生食だけでなく、蒸して乾燥させた干し菊は保存がきくため、様々な料理に活用できる。「阿房宮」という名前は秦の始皇帝が菊を愛でた宮殿の名前に由来している。 一般的に…

ホトケノザとヒメオドリコソウ

昨日は春の兆しとしてオオイヌノフグリについて記したが、同じように春を告げるコンビがヒメオドリコソウとホトケノザである。 ホトケノザは、その葉の形が仏様の台座のように見えるというのが名前の由来。ホトケノザといえば春の七草の一つとして有名だが、…

大雪の便りを聞きながら

ふるさとの大雪のニュースが入ってくると、私が反射的に思い出すのは小林一茶の柏原での俳句と桑原武夫の第二芸術論。 雪解けの水音が四方に轟き渡り、それがあたかも地震のようだということから「地震滝」と呼ばれ、「地震」が「なゐ」と呼ばれていたことから「苗…

オオイヌノフグリの自然な姿

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草。湾岸地域のどこにも見られる雑草。和名はイヌノフグリに似ていて、それより大きいために付けられた。日本に入ったのは明治初年とされ、その後東京から日本中に急速に拡大した。 オオイ…

「ひうち」雑感

「ひうち」と聞けば、妙高では誰もが「火打山」を指すことを疑いません。しかし、所変われば品変わるで、「火打岳」を指すのが「ひうち」だと思うのは山形の人たちです。「燧ヶ岳(ひうちがだけ)」と書けば、それはまた別の山で、尾瀬の人たちが思い描く山…

冥と顕の認識論

少々性急ですが、集合論のモデルから知識とそのモデルとしての世界に話を拡大してみましょう。今回は知識論や認識論と冥顕との関わり合いが主題となります。 怨霊や鬼を信じることは私たちの自由であるように見えます。でも、それは私たちには運命のような定…

ノースポールの花

ノースポールはカンシロギク(寒白菊)とも呼ばれ、キク科フランスギク属の半耐寒性多年草です。でも、高温多湿に極端に弱く、日本では一年草です。ノースポールは和名で、花が真っ白に覆うように見え、それが北極を連想させるからのようです。「ノースポー…

集合論のモデルから冥と顕の習合世界へ

数学は20世紀にかけて、ヒルベルトによる形式主義的な整備が進み、フレーゲらの論理学の形式化と共に、数学の基礎に関する研究が熱気を帯びました。そして、生み出された一つが公理的集合論で、集合論は数学の基礎づけに必須の装置だとみなされました。集合…

ツルニチニチソウの花

今日は立春。あちこちに春の兆しが見え始めている。春を告げる一つがツルニチニチソウで、キョウチクトウ科ビンカ属の常緑蔓性植物。その分布域は地中海地域の南部、ポルトガル、スイス南部、北アフリカにあり、広く自生し、容易に栽培でき、花が美しいこと…

鬼は冥界の存在

今日は節分で、豆をまく。豆まきの理由は、季節の変わり目には鬼(邪気)が生まれ、それを追い払うため。寺の節分会では法要とともに豆まきが行われる。鬼の面を描き、豆をまいた節分の鬼が思い出される。 鬼は(1)祖霊や地霊、(2)天狗、(3)邪鬼、夜叉…

エンドウの花

エンドウマメとも呼ばれるエンドウはマメ科のエンドウ(豌豆)は広く栽培され、食用となっています。エンドウは地中海沿岸や中央アジアに生息するつる性植物で、開花時期は4月~5月頃ですが、既に花が咲いている姿を見つけました。白色の二股に分かれた花柄…

冥と顕と、知と無知と

慈円の『愚管抄』や『平家物語』には冥(みょう)と顕の混淆、習合が表現され、折口信夫の『死者の書』にはそれが遥か昔の物語として語られています。中世人の世界像を考えるうえで、「冥(みょう)」と「顕」の世界、すなわち「見えない存在、現象」と「見…

オトメツバキの花

ピンクの八重の椿として有名なのが「乙女椿」。ピンク色の花びらを重ねた八重咲きの中輪で、花びらは円頭形で、整然としている。整った花容はどこにあっても見間違えることがない。ほかの椿と違って、黄色い雄しべが見えないのが特徴。江戸時代、他藩に出回…

私の日本の霊魂

まずは、常識的な言葉遣いから始めてみましょう。 「怨霊」は特定の相手に怨みを持ち、その怨みを晴らすためにその相手に災いをもたらす霊ですが、「悪霊」は不特定多数の人に災いをもたらす霊で、怨霊を一部に含んでいます。どちらも災いをもたらす霊で、そ…

ニシキギの枝の翼

ニシキギは古い枝の周囲にコルク質の風変わりな「翼」ができる(画像)。この翼を刃物になぞらえ「カミソリノキ」などの別名がある。冬になり、落葉すると、ニシキギはこの翼が目立つ。ニシキギのコルク層はワインの瓶の蓋に使うコルク樫のコルクと同じであ…