2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ノボロギクの花

ノボロギク(野襤褸菊、野に生えるぼろ菊)は一年中道端などで花を咲かせるヨーロッパ原産の帰化植物。ですから、この花には季節感がありません。名前は実についた穂綿がボロ布のように見えることからついたようです。雪国では雪解けとともに畑にはびこる雑…

何が不確定なのか:画像を手掛かりに

「確定した点が力学法則に従って運動し、それを観測する人とは独立した別の事柄である」というのが物理世界についての私たちの古典的な常識です。それを確定性原理の成り立つ決定論的な実在論の世界と表現しました。では、不確定性原理の成り立つ非決定論的…

カラスノエンドウの花

カラスノエンドウは、マメ科ソラマメ属の植物で、日本のいたるところで見ることができます。繁殖力が強く、あちこちに自生しています。画像のように茎には巻きひげがあるのがカラスノエンドウの特徴で、周囲の植物に絡みつくことがあります(画像)。「烏野…

フィリフェラオーレアの黄色と青空

フィリフェラオーレアは常緑性のコニファーの一種で、日本に自生するサワラの園芸品種です。十分な光が当たることで葉色が色鮮やかな黄色味を帯びます。オウゴンヒヨクヒバ、オウゴンワイセイスイリュウヒバとも呼ばれ、黄色の細長く垂れた葉が特徴です。冬…

Parallel Olympic Games

古代オリンピックは紀元前776年に古代ギリシアのオリンピアで始まります。オリンピアはゼウス神の聖地であり、ゼウス神に捧げる競技祭として4年ごとに開かれました。古代ギリシアではポリス間で始終争いが起こっていて、祭典のために「エケケイリア(聖なる…

クリスマスローズの花

クリスマスローズはキンポウゲ科の植物で、育てやすいせいか、湾岸地域にはあちこちに植えられている。毎年花を咲かせる多年草の植物で、寒さに強く、育てやすい。ヘレボルスが正式名称で、別名は「雪起こし」。「クリスマスローズ」は、クリスマスの時期に…

古典的世界観と確定性原理

私たちの生活世界を支えてきたのが古典的世界観で、それは古典力学が成り立つ世界が私たちの住む世界だと主張しています。点とその連続的な運動からなる古典力学をモデルにしたのが古典的世界観で、日常世界では素朴実在論や直接実在論とも呼ばれてきました…

フクジュソウの黄色い花

フクジュソウはキンポウゲ科の多年草で、その眩しいほどの黄金色の花で春を告げる。そのため、新年の季語となっていて、「福告ぐ草(フクツグソウ)」という名前が江戸時代に使われた。その後、おめでたい「寿」と差し替えられ、「福寿草」となった。旧暦の…

連続性と無限(2)

前回の実無限、可能無限は既にアリストテレスやカントが考察し、それが直観主義にも大きな影響を与えたが、20世紀の大勢は「「完結した無限」が集合であり、「生成途上にある無限」はまだ集合ではない」と考えた。したがって、運動に関しても、完結した運動…

ボケの赤い花

ボケ(木瓜)はいつも春を待ちきれずに咲き出すが、既に1月末に今年のボケの花を報告した。ボケはバラ科ボケ属の落葉低木、中国原産で、日本に自生しているクサボケとの交配種や自然交雑種もある。江戸時代から庭植えや盆栽として栽培され、多くの品種がある…

連続性と無限(1)

「瞬間」の次は、それが集まってできる連続性が主題。運動変化の連続性、つまり、スムーズで途切れることのない、流れるような運動変化はどのような変化なのか。どんなものも連続的に動いていて、瞬間には止まっているように見える。自然の運動変化の基本的…

春の兆し

2月も末になれば、春の声が聞こえてくる。世の中はコロナ騒ぎが続き、ロシアのウクライナ侵攻が問題になっていて、春を楽しめる状況とは言い難い。 湾岸地域のタンポポの花は年中見ることができ、珍しくもないのだが、冬から春にかけてのタンポポは独特の姿…

瞬間写真

前回は因果的変化の「因果」に焦点を当てた。ストーリー(物語)は原因と結果の連鎖から成り立っていることから、因果性について考えたが、今回は「変化」の対となる瞬間について考えてみよう。変化は次のようなレベルの異なる概念枠組みによって扱われてき…

ハクモクレンの蕾

ハクモクレン(白木蓮)はモクレンの仲間で、文字通り白色の花をつける。花はまだ咲かないが、春が近いことをその蕾が教えてくれる。子供の時からハクモクレンをモクレンと思い込んでいたが、「木蓮」という名前はハス(蓮)に似た花が咲く木という意味で、…

因果的に変化する漫画や絵巻物

(因果的変化を表現するには非因果的な言語が必要ということの簡単な説明) 団塊世代の私には漫画が子供の頃の娯楽の一つで、お気に入りは『赤胴鈴之助』だった。大学生の頃には『あしたのジョー』が人気を博していて、学生が行く食堂には漫画週刊誌が溢れて…

エンジュ ゴールド・スタンダードの枝

マメ科のエンジュ(槐)は中国原産の落葉高木で、街路樹や庭木として植えられているのだが、湾岸地域ではほとんど見ない。そのエンジュが見られる公園で久し振りに再開すると、冬枯れの中で黄色の枝が見事に光っている。ゴールド・スタンダードは冬に枝が黄…

諸行無常、生々流転、万物流転、そして絵巻物

「諸行無常」は『平家物語』が主張する仏教の世界観であり、「生々流転」は岡倉天心の高弟横山大観の大作で、長さは40mを越える(東京国立近代美術館蔵)。「万物流転」となれば、ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの哲学的テーゼで、どれも似たような内容だと…

メラレウカの大木

学名のMelaleucaがそのまま使われているフトモモ科の常緑高木で、別名がティーツリー。原産地はオーストラリアで、風にたなびく繊細な葉、ワイルドな枝ぶり、波打つような幹肌をもち、シンボルツリーとしても人気が高い。初めて見たときはコウヤマキかイヌマ…

キンセンカの花

キンセンカ(金盞花、学名がカレンデュラで、キンセンカの別名としても通用している)の花色は、花びらに光沢のあるオレンジや黄色で、最近ではシックな花色や八重咲きの種類も出てきた。その花色と盃状に咲く花の形から「金盞花」と名づけられた。南ヨーロ…

神仏習合の信仰

私には神仏習合の生々しい経験がない。寺院と神社は別の宗教の建物であり、妙高や戸隠に神が宿るとも思わないし、関山神社の御神体が菩薩や阿弥陀と言われてもピンとこない。これは私だけでなく、明治以降の人ならほぼ同じではないか。神仏習合の実際の信仰…

ダリアとラナンキュラスの花

冬の寒さなど無関係といった風に咲いているのがダリア。寒さに無頓着で、時を超えて存在するかのようで、それが堪らなく見事である。切ない風情などなく、何か即物的で、リアルである。人の造作の入らない姿は「花そのもの」、「花自体」と表現するに相応し…

『愚管抄』への素朴な疑問

末法思想を背景に、冥顕論、真俗二諦論、道理を習合させて論述されたのが『愚管抄』だという日本史の解説の主張に疑問をもったことなどなかったが、それらが上手く習合しているかどうかが私の疑問である。つまり、それら三つの習合は無矛盾なのかと問うと、…

早春のミツマタ

ミツマタ(三椏)は落葉性の低木で、ジンチョウゲ科のミツマタ属。中国中南部、ヒマラヤ地方が原産地で、三つ叉(また)に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる。ミツマタは新葉が芽吹く前の枝先に花だけが開花する。下向きに咲く花には芳香があるが、花弁は…

ウメの花

ウメは寒い早春から春にかけて香りのよい花を咲かせます。子供の頃の私にとってウメは梅干しの実がなる木であり、どの家のウメの木も実を収穫するための実用的な木でした。梅の花を観賞するための木であることを知ったのは私が中学生になってからで、私の梅…

私の中の鬼の正体

大人になった私には仏教と鬼とが知識レベルで結びついています。でも、私が子供の頃の鬼はもっぱら怖い存在でした。では、鬼は悪者だったかと問われると、どうもはっきりしないのです。そのためか、今でも持国天、増長天、広目天、毘沙門天の四天王の像の足…

ヘデラ・カナリエンシス‘バリエガータ’

どこでも目に入るのがこのアイビーで、オカメヅタとも呼ばれる常緑性の蔓です。性質はなかなか強く、庭のグランドカバーに最適。一年中緑を保ち、日向、半日陰のどちらでも栽培できます。ということで、湾岸地域では人気の植物です。最近は圧倒的に常緑性の…

鵺がグロテスクで滑稽にさえ見える理由

慈円は自らの史書のタイトルを『愚管抄』(愚管=つたない意見、私見の抜粋記録)と卑下しながらも、冥顕の世界観と道理による史的展開を説き、中世思想を生み出したのですが、それが能や歌舞伎によって時間をかけて具体的に表現されて行きます。既に冥顕の…

能の中の冥と顕

慈円の『愚管抄』で述べられた冥顕観を芸術として具体化したのが世阿弥。神、怨霊、精霊の主人公 (シテ) が名所旧跡を訪れる旅人 (ワキ) の前に出現し、土地にまつわる伝説や身の上を語るのが「夢幻能」。この演劇スタイルこそ世阿弥が完成させたものですが…

マーガレットの花

マーガレット・サンデーリップルは静岡県の農業試験場で育成、登録された園芸品種です。原産地はカナリア諸島で、白花、一重、小輪のマーガレットです。普通のマーガレットは、一重で白い舌状花が周縁にあり、中央に黄色い筒状花がありますが、このサンデー…

冥衆の鵺の姿

『平家物語』にも登場する日本の妖怪「鵺(ぬえ)」はどんな妖怪なのでしょうか?「鵺」と表記する他に、「鵼」、「夜鳥」などとも書きます。鵺は平安時代後期に出現したと言われていますが、書物によって記載が異なり、定かではありません。『古事記』や『…