ノウゼンカズラの赤い花たち

 ノウゼンカズラ凌霄花)はノウゼンカズラ科の蔓性の木で、夏から秋にかけて赤色の花をつけます。今年は既に花盛りです。暑くなるのに合わせて、人の目を引くのが濃い赤色の花です。私の周りでも私の好みなどとは無関係にノウゼンカズラの花が例年の如く咲き出しています。

 ノウゼンカズラは9世紀ごろに渡来し、古くから薬として使われてきました。「凌霄花」は漢名からで、「凌」は「しのぐ」、 「霄」は「そら」の意味で、蔓が木にまといつき、天空を凌ぐほど高く登るところから、この名がつきました。実際、ノウゼンカズラの花も蔓も青空に似合い、夏の青空の中で生き生きとした姿を見せてくれます。

 さて、次の二句はノウゼンカズラが何を象徴、暗示するかについての相異なる二句です。あなたはいずれのノウゼンカズラが好きですか。

 

 凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリア 中村草田男

 廃屋となりて久しや凌霄花                 久保晴子