ヒイラギモチの花

 クリスマスのリースに使うのはヒイラギ(モクセイ科)ではなく、ヒイラギモチ(モチノキ科)で、共に鋸歯の葉を持つが、ヒイラギとヒイラギモチは全く違う植物。ヒイラギモチはヒイラギとモチノキが一緒になった名前だが、クロガネモチと同じモチノキ科。別名は「セイヨウヒイラギ」、「ヤバネヒイラギモチ」、「シナヒイラギ」。流通名は「チャイニーズホーリー」。

 さらに、ヒイラギモチは花期が春で、秋から冬にかけて赤い実をつけるが、ヒイラギの花期は11月末頃で、春に熟す黒い実をつける。また、ヒイラギモチは昭和になって輸入された植物だが、ヒイラギは日本特産。ヒイラギは秋に葉腋に花柄のある⽩色の花をつけ、良い香りがあるが、今咲いているヒイラギモチの花に香りはない(画像は雌花)。

 ヒイラギモチは魔力があると信じられていて、クリスマスの飾り付けに用いられる。一方、日本のヒイラギ(柊)も神の力が宿る「神聖な木」とされ、邪鬼祓いや魔除けのおまじないに使われてきた。

*最後の二枚の画像はそれぞれヒイラギとヒイラギモクセイの雌花。ヒイラギモクセイはヒイラギと中国原産のギンモクセイとの交雑種。

ヒイラギモチの雌花

ヒイラギモチの雌花

ヒイラギの雌花

ヒイラギモクセイの雌花