ムベの花

 アケビ科のムベは常緑で、別名の「トキワアケビ」は常緑のアケビということからつけられました。ムベは雌雄同株で、花は雄花、雌花とも似た鐘形で、萼の先は6分裂して開きます。萼片は外側の3個は幅が狭く、内側の3個の幅が広くなっています(画像)。雄花にはおしべが6つ、雌花にはめしべが3つあり、花の中を覗いてみればわかります。今が満開のようで、倉庫の壁には幾つも花が咲いています。

*日本に分布するアケビ科にはアケビ、ミツバアケビ、ムベの3種が含まれ、どれも蔓性で、実は秋に熟します。

 ムベ(郁子)は中国と日本が原産で、蔓の長さは5m程になりますが、果肉は小さく種子が密着しているため、食べにくく、商業価値はありません。ムベの果実を献上された天智天皇が「むべなるかな(=もっともなことだ)」と言われたことが和名「ムベ」の由来のようです。