ヒイラギモクセイ:キンモクセイとヒイラギの間で

 今年のキンモクセイの花はあっという間に散ってしまいましたが、その後のヒイラギモクセイの花も既に終わりました。

 ヒイラギモクセイはギンモクセイとヒイラギの雑種で、湾岸地域でもよく植栽されています。ヒイラギモクセイの葉の形と大きさはキンモクセイから、葉の周りが棘になっているのはヒイラギから受け継いでいます。開花時期は、10月の中、下旬で、キンモクセイに続いて咲き始めます。

 香りに気づき、見回すとキンモクセイの花が見えるのは、香りに気づき、見れば女性がいるのに似ています。また、見るとヒイラギモクセイの花が目に入り、近づくといい香りがするのは、見ると女性がいて、近づくといい香りがするのに似ています。香水をつけた女性がキンモクセイ、自然の香りがヒイラギモクセイであり、香る香水とバラの香りの違いに似ているのかも知れません。

 ギンモクセイの花も白色で、香りはキンモクセイよりも弱く、花に顔を近づけると感じられる程度です。ギンモクセイは中国を原産地とするモクセイ科モクセイ属の常緑樹。秋に芳香のあるオレンジ色の花を咲かせるキンモクセイ金木犀)の方が日本では有名ですが、実はキンモクセイはギンモクセイの変種なのです。

*クリスマスの頃に赤い実をつけてクリスマスホーリーの名で流通するのは西洋ヒイラギで、ヒイラギ(柊)とは違う植物です。ヒイラギはモクセイ科、西洋ヒイラギはモチノキ科です。花の開花時期も違い、西洋ヒイラギは春、ヒイラギは秋に開花します。

**ヒイラギの花は4裂し、花びらの先が反り返ります。キンモクセイやヒイラギモクセイと違い、花から雄しべが飛び出しているのが特徴です。ヒイラギは雌雄異株ですが、花の形は雌雄とも同じです。雄しべ2本と雌しべ1本があり、雌花には発達した長い雌しべがあります(画像)。

キンモクセイ

ヒイラギモクセイ

ヒイラギ