カルミアの花

 ツツジ科のカルミアは北アメリカ原産で、5、6月が開花時期。花は、咲く前に金平糖のような形になり、咲くと花の形はおわん型に変わる。枝の上部に20から30の花が半球状に集まって咲く。花の直径は2センチほど。花弁は8枚あるが、先端で浅く五つに裂けるため、花を正面から見ると五角形のようになる。

 別名はアメリシャクナゲ(石楠花)で、ツツジシャクナゲの仲間。コネチカット州ペンシルバニア州で州花に指定されている。カルミアが日本に渡来したのは大正4年。東京市長アメリカにサクラを寄贈した返礼として、ハナミズキなどとともに贈られてきた。本格的に普及したのは昭和30年代の終わり頃からで、湾岸地域でもよく見られる。

 雌雄同株で花の内部には雌しべ1本と10本の長い雄しべがある。雌しべの先端(柱頭)はピンク色で、雄しべの先端は花弁の斑点に埋もれるように密着しているが、花粉を媒介するハチが寄ってくると反転し、その背中に花粉を付着させる。花の後には軟毛に覆われた乾いた果実ができ、それが10月頃に褐色に熟す。また、カルミアの葉にはアンドロメドトキシンという有毒成分が含まれている。