フェイジョワとドクダミとテントウムシ

 私の哺乳類の常識は昆虫の常識とは随分と違う。幼虫、蛹、成虫と変態する昆虫の成長は私のような哺乳類の成長とはまるで異なる。少なくとも、哺乳類には通用しない成長が昆虫の成長であり、哺乳類は昆虫の成長を知る由もない。従って、哺乳類の一生は昆虫の一生とは随分異なる。とはいえ、個体の一生の積み重ねが世代交代であり、それを通じて生物は生存し、進化していく点では哺乳類も昆虫も変わりはない。

 フェイジョアの葉の上にいるのはナミテントウの蛹(さなぎ)と思われる。生物学から遠ざかっていた私には画像が蛹だとは推測できず、テントウムシを調べようとして、成虫ばかり探していたのである。探すことに熱中するあまり、テントウムシ完全変態することをすっかり忘れていたのである。一方、近くのドクダミにいたフタモンテントウは成虫で、これは図鑑を調べるだけですぐに特定できた。

 連続的な成長と不連続的な変態は異なる成長過程であり、生物の成長を考える際にその異なる成長過程を忘れてはならないのである。