アセビの花

 アセビ(馬酔木、梫木)はツツジアセビ属の常緑低木で、ツツジの仲間。2~4月にドウダンツツジに似た壺型の花が枝先から垂れ下がるように咲きます(画像)。日本に自生し、湾岸地域でも公園や庭に植えられています。別名はあしび、あせぼ。自生するアセビの花色は白が基本ですが、園芸用としては薄紅色が多いようです(最後の画像が白)。

 枝葉に「アセボチン」という有毒成分が含まれていて、馬が食べると、酔って足が萎えることから「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、それが変化し、「アセビ」となりました。木全体に毒性があって他の動植物を寄せ付けないため、アセビだらけの景色を作り、奈良の春日大社奈良公園、箱根、天城山などは名所として有名です。『万葉集』にもその名が登場し、庭木や盆栽としても普及しています。

 『馬酔木(あしび)』は、1903年明治36年)に正岡子規の「写生」の歌を発展させるために創刊され、1908年(明治41年)に終刊した、根岸短歌会の短歌雑誌。また、水原秋桜子が主宰した俳句雑誌も『馬酔木(あしび)』。1931年、彼は「『自然の真』と『文芸上の真』」を発表し、俳句における「感情の主体性」を重視しました。