ハコベの花の切れ込み

 春の七草ハコベはユーラシア原産で、世界中に広まった史前帰化植物です。ハコベは食用や薬用になり、柔らかい草質からニワトリや小鳥のえさとしてよく知られています。白色で切れ込みのある5枚の花弁を星型に付ける小さな花(画像)から、属名の「Stellaria」はラテン語の星(stella)を意味しています。ハコベ属は世界中に約120種があり、日本でハコベと呼ばれるのは、コハコベ(S. media)、ミドリハコベ(S. neglecta)、ウシハコベ(S. aquatica)の三種(画像はコハコベと思われます)。

 ハコベの花はとても小さく、花径は直径5mm程度、色は白、花びらは5枚です。ハコベの花の特徴は、何と言ってもその花びらで、深く切れ込みが入ったウサギの耳のような形状をしています。そのため、ハコベの花は花びらが10枚あるかのように見えます(画像)。

 ハコベの花びらの切れ込みの深さに対して、切れ込みのないのがノミノツヅリ、切れ込みの浅いのがオランダミナミグサです(画像)。いずれもハコベの花に似ていますが、切れ込みの違いで見分けられそうです。

ハコベ

ノミノツヅリ

オランダミミナグサ