昨日有明の海浜公園を歩いていると、横の土手に大きな鳥が一羽、静かに瞑想しているかのように運河を見ている。近づいてもすぐに逃げ出すこともなく、それでも警戒心は十分にあるようだ。近づきすぎた私から離れるように飛び上がり、近くの柵に止まる。どこか具合が悪いのか、群れからはぐれたのか、色々案じながら、暫く観察することができた。帰って調べてみると、それはゴイサギの幼鳥だった。以下は調べた結果だが、親鳥の元に戻れたかどうか、気になる。
チョウサギ科のゴイサギは「五位鷺」と書きます。「五位」とはえらいサギなのでしょうか。平安時代、醍醐天皇が池のゴイサギを見つけ、捕えるように家来に命令します。ゴイサギは逃げることなく、おとなしくつかまりました。天皇はゴイサギが神妙だと、五位の位を授け、それから「五位のサギ」、「ゴイサギ」と呼ばれるようになりました。別名は「夜烏(ヨガラス)」。ゴイサギは夜行性で、昼間は林などでじっとしていて、夕方から川や池へ出て行き、魚類やザリガニ、カエルなどを食べます。夜に「クワッ、クワッ」と鳴くことから「夜烏(ヨガラス)」と呼ばれるようになりました。
ゴイサギはオスもメスも羽の色は全く同じで、オスとメスの区別がほとんどつきません。頭頂と背がこん色で、額から目の上までは白く、ほほからあごの横と後ろは灰色で、赤い眼が特徴。足はやや黄色で、細いです(画像)。
画像のように、幼鳥は褐色で白いまだら模様があります。白斑を星に見立てて、「ホシゴイ」と呼ばれます。成長するにつれ、褐色から灰色に変化し、白斑は次第になくなりますが、成鳥の羽根(姿)になるまでは3年かかります。目の色も黄色から次第に赤くなります。ゴイサギの幼鳥「ホシゴイ」の羽根はタカやワシといった猛禽類を思わせます。成長すると、目の覚めるような純白と藍色のゴイサギに変身します(画像)。