ツルソバの花に集まるキリウジガガンボ

 ツルソバ(蔓蕎麦)はタデ科イヌタデ属に分類される蔓性の多年草で、既に記しました。蔓を伸ばし、葉も花も蕎麦に似ていて、「蔓蕎麦」と命名されていても、食べることはできません。ツルソバは東アジア原産で、広く自生していて。湾岸地域でも見ることができます。晩春から初冬までの長期間、茎頂や葉腋から総状花序(花柄をもった花が並んでつき、総 (ふさ) の形になる花のつき方)を伸ばし、小さな白花をつけます。でも、これは花弁ではなく、5深裂した萼です(画像)。

 画像はキリウジガガンボで、水田や畑だけでなく、都市でも見られる昆虫です。イネの害虫とされる大型のガガンボで、体長15~18mm。体は灰褐色。翅の前縁に沿って褐色で、幼虫がイネの根を食害するため、切蛆(キリウジ、根っこを切るウジムシのような昆虫)と呼ばれます。

 キリウジガガンボの翅の前縁に暗褐色部分があり、部は淡黄褐色で、背面両側に暗色の縦帯があります。ハエ目ガガンボ科の昆虫で、蚊に似ているがはるかに大きく、血を吸いません。