2月のクリスマスローズの花(1)

 クリスマスローズはキンボウゲ科の多年草で、ヨーロッパや西アジアが原産。「クリスマスローズ」は俗称で、クリスマスローズ属の総称からヘレボルス(Helleborus)と呼ばれています。ヘレボルスはギリシャ語の「helenin殺す」と「bora 食べ物」からの造語で、可憐な姿からは思いもよらない名前。その由来は、かつて狩りの際にクリスマスローズの根に含まれる毒が使われていたためと言われています。

 クリスマスローズは、クレマチスラナンキュラスアネモネなどと同じキンポウゲ科の植物。人気の高い多年草で、多くは常緑。かつては濁った花色で花弁によれがある花でしたが、改良が進み、濁りのない花色、丸い花弁、整った花形を目指して品種改良が行われ、今では見事な花色、花形になっています。

 「ヘレボルス、クリスマスローズ」という名前はクリスマスの頃に花をつけるヘレボルス・ニゲル (Helleborus niger) を指していました。クリスマスローズ属は世界に約20種あり、日本ではどれもクリスマスローズと呼ばれていますが、欧米ではレンテン節の頃に咲くレンテンローズ(春咲き)とクリスマスの頃に咲くクリスマスローズ(冬咲き)とはハッキリ区別されています。

 冬咲きも春咲きも花びらのように見えるのは、「がく(萼)」が発達した萼片で、花弁は退化し、小さな蜜腺になっています。下向きで咲くものが多く、花の内側はなかなか見ることができません。それがまた私たちの興味を惹くのです。

*画像はいずれも交配種