2月のクリスマスローズの花(2)

 ヘレボルス・フォエティダスもクリスマスローズの仲間で、茎が立ち上がる有茎種で、緑色を基調としたベル形の丸みのある花をつけます。その別名がコダチクリスマスローズ。フォエティダス(foetidus) は「悪臭」の意味で、少し臭気があり、全草が有毒です。

 2月下旬から咲き出し、早春から春の庭を美しく彩るのはヘレボルス・オリエンタリスという系統。日本ではこれもクリスマスローズと呼んでいて、正に2月のクリスマスローズという訳です。かつては濁った花色だったのですが、品種改良が行われ、画像のような品種が生まれました。

 最後にヘレボレス・アーグチフォリウス。舌をかみそうな名前ですが、原種はクリスマスローズで、原産地はフランス・コルシカ島、旧学名は「コルシクス」。ヘレボルス・アーグチフォリウスは、有茎種(立ち上がった茎に葉をつけ、頂部に花を咲かせる)のクリスマスローズ。常緑の多年草で、丸い花を1花茎に30輪以上咲かせます。葉は三つに大きく切れ込み、葉縁にはヒイラギに似た鋸歯(きょし)があります。葉は造形的に美しく、花が咲いていなくても楽しめます。私のこの花との最初の出会いの印象は、地表近くに見えた花は最初その色から葉に見えてしまい、それでよく見ると花だった、という地味なものでした。鮮やかな白ではなく、薄緑色の葉のような花で、鋸歯をもつ葉を際立たせているようにも思えたのです。

*最初の二枚の画像は交配種、三枚目がヘレボルス・フォエティダス、最後がヘレボルス・アーグチフォリウス