2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ツリガネズイセンの花

春というより初夏に似つかわしいのがツリガネズイセンの清々しい青色。キジカクシ科のツリガネズイセンの葉はスイセン(ヒガンバナ科)に似ているが、スイセンとは違い、花は釣鐘型をしている。そのため、和名は「釣鐘水仙」。イベリア半島が原産地で、ヨー…

アメリカフウ(モミジバフウ、紅葉葉楓)の花

北米原産のアメリカフウは大正時代に渡来し、湾岸地域でも公園や街路に植えられています。その葉はモミジの葉によく似ているので、モミジバフウの別名があります。開花は4月頃で葉の展開と同時です。雌雄同株で、同じ木に雌雄それぞれの花が咲きます。雄花…

ハナミズキの花たち

ハナミズキ(花水木)はミズキ科の落葉高木。北アメリカ原産のハナミズキの名は、水木の仲間で、花が目立つことから、別名のアメリカヤマボウシは日本の近縁種のヤマボウシに似ていることからつけられた。1912年に当時の東京市長尾崎行雄がワシントンD.C.へ…

フレンチラベンダーの苞葉

地中海沿岸から北アフリカが原産のフレンチラベンダーの花はとても特徴的で、細く伸びた茎の先端に稲穂状に花がつきます(画像)。最大の特徴は花穂の先についた葉で、緑色ではなく、紫色や白色です(画像は紫色)。この葉は細長い花びらにも見えます。これ…

一重と八重の花たち

春になると急に花が溢れ出しますが、そんな中で目立つのが一重と八重の違いです。ヤマブキ、ツツジ、コデマリの一重と八重の花を見比べてみて下さい(画像)。いずれが好きか嫌いかは別にして、それぞれの特徴は見比べる価値が十分にあります。花の種類に応…

ニワザクラの花

バラ科サクラ属のニワザクラ(庭桜)は一重咲きのニワウメ(庭梅)の変種で、八重咲きです。花の色は、淡い紅色のもの(画像)と白いものがあります。 ニワザクラは既に記したユスラウメの仲間です。八重のニワザクラにはニワウメと違って、実がつきません。…

ガザニアの幾何学的な花

ガザニアはキク科ガザニア属の総称で、原種は15種ほどあり、南アフリカ原産で、花の色は赤、白、オレンジ、黄色など様々です。ガザニアは日光が当たっている間花が開き、夕方から夜や曇りの日には閉じるという性質を持っています。花は八重もありますが一重…

リンゴかモモか?

花だけ見ていると、素人の私にとってリンゴ、モモ、ウメなどの識別はほぼできない。できるのは花の後の実になってから。さすがに実についてはその味を知っているためか、識別は難しくない。 画像を見れば、花の形も色も確かに違うことは明らかなのだが、いず…

エニシダ属の花たち

マメ科エニシダ属の仲間には、エニシダ(金雀枝)や、それより小振りな花を咲かせるヒメエニシダ(姫金雀枝)、黄色に赤いぼかしが入るホオベニエニシダ(頬金雀枝紅)、シロバナエニシダ(白花金雀枝)などがあります。4月に入り、湾岸地域ではどれも元気に花を…

フジの花

エニシダ、キングサリと同じマメ科のフジ(藤)は蔓性の落葉植物。本州、四国、九州の山野で見られ、普通は他の木に絡みついていますが、園芸では「藤棚」を作り、花を密生させて鑑賞します。 フジの花の開花期は4月から6月です。フジにはノダフジ(野田藤)…

マンテマの仲間たち

ナデシコ科マンテマ属のマンテマはヨーロッパ原産の一年草で、日本では江戸時代に観賞用に持ちこまれ、その後野生化し、本州中部以南で見られる外来種になっています。湾岸地域でも珍しくなく、その最大の特徴は毛が密生していることです(画像)。この毛は…

ヒメリンゴの白い花

子供の頃、向かいの家にヒメリンゴの木が一本あって、小さく青いリンゴをかじり、とても渋く苦く酸っぱかった記憶が今でも残っている。そのヒメリンゴの木が近くの学校のグラウンド横に何本も植えられていて、毎年綺麗な花と青い実をつける。今年もいつもの…

クンシラン(Clivia miniata、ウケザキクンシラン)の花  

私たちが今「クンシラン(君子蘭)」と呼んでいる植物は「ウケザキクンシラン」で、クンシランという植物は別にあります。君子蘭の「君子」はClivia nobilisの nobilis(貴族の)からきていて、画像のような華麗な「ウケザキクンシラン」が広まると、元のク…

イリス・アルビカンスの白い花

ポルトガルの野の花であるイリス・アルビカンス(Iris albicans)はアヤメ科アイリス属、サウジアラビア~イエメン原産の多年草です。英語名のCemetery Irisは墓地に植えられてきたことに由来します。iris はギリシア神話の虹の女神。 イリス・アルビカンス…

ゲッケイジュの花

ゲッケイジュ(月桂樹)はクスノキ科の常緑樹で、地中海沿岸が原産地。英語のノーブル・ローレル(Noble Laurel)が中国語で「月桂樹」と訳され、それが音読みされ、ゲッケイジュという和名になりました。 ゲッケイジュは明治39年にフランスから渡来。独特の…

ヤマブキとシャガの花

子どもの頃、我が家の裏庭にはヤマブキ(山吹、棣棠)とシャガ(射干、著莪)が群生していた。4月末か5月初めに祖母がヤマブキとシャガの切り花をつくり、私がそれを小学校の教室にもっていったのを思い出す。ヤマブキとシャガが一面に咲き、裏庭は見事な光…

ハナカイドウとハナズオウ

ハナカイドウ(花海棠)はカイドウとも呼ばれて、日本中で栽培されています。リンゴと同属の落葉果樹で、原産地の中国でも古くから栽培され、その花の美しさは、中国の唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を花海棠に喩えたように、昔から美人の代名詞として使わ…

モッコウバラの花

モッコウバラ(木香茨、木香薔薇)は中国原産のバラの原種の一つ。モッコウバラの枝にはトゲがなく、春先からたくさんの花を咲かせます。花は直径3cmと小柄で、白い花の方が強い香りを放ちます。モッコウバラは常緑性の蔓バラで、アーチやフェンスに這わせた…

お馴染みの春の野原

子供の頃の春の野原と現在自分が見ている野原とは随分違う筈なのだが、野原の野草たちが大幅に変わってしまっている訳ではない。風景も違う筈なのだが、風景を構成している事物も重なっているものが結構多い。つまり、田舎の春の野原と今の春の野原はどちら…

ジューンベリーの花

ジューンベリー(和名アメリカザイフリボク)はバラ科ザイフリボク属の落葉小木。樹高は0.5-8mほどで、マメナシの木よりかなり小さい。マメナシの木の横で、今5弁の白い花を咲かせている。果実は直径7-10mm、6月頃に黒紫に熟す。果実が6月(June)に収穫でき…

マメナシの花

マメナシの別名はアメリカハナナシで、ハナナシの園芸品種。マメナシは秋に紅葉するバラ科ナシ属の落葉高木(画像はかなりの高木)。花びらは白色、雄しべの先端(葯)が紫色(画像からはわかりにくい)。花は径2.5cmほどの5弁花で、葉が出る前か、ほぼ同時…

チューリップの赤い花たち

チューリップの花色は原色が似合うというのは子供の頃から刷り込まれた記憶のせいなのだろう。チューリップははっきり、きっぱりした色が似合い、濁った混合色は似合わないというのもやはり刷り込みのせいなのだろう。 だが、最近のチューリップの容姿は随分…

マメの花たち

カラスノエンドウ、カスマグサ、スズメノエンドウはどれもエンドウ属ではなく、ソラマメ属の野草(花のサイズがカラスとスズメの中間にある(カとスの間でカス間)ことからカスマグサ)。烏野豌豆(カラスとノエンドウ)の正式名称はヤハズノエンドウ(矢筈…

ナガミヒナゲシの花

今年もナガミヒナゲシの花が湾岸地域のあちこちに目立つようになってきた。目を引く花で、栽培種かと思ったりするのだが、1960年ごろ見つかったヨ-ロッパ原産の帰化種で、瞬く間に全国に広がり、今では道端のいたるところに咲いている。ケシと聞くと、まだ…

補足:八重紅枝垂れ桜

「八重紅大島」について記したが、より有名なのが「八重紅枝垂れ桜」。エドヒガンから誕生した日本原産の栽培品種の八重咲きの桜で、花色が濃い紅色の枝垂れ桜です。江戸時代から栽培されていて、「遠藤桜」、「仙台八重枝垂れ」、「仙台小桜」、「平安紅枝…

セイヨウオダマキの花

セイヨウオダマキはキンポウゲ科オダマキ属のAquilegia vulgarisの和名です。画像からわかるように、セイヨウオダマキは不思議な花の形をしています。花弁に見える部分は萼(がく)で、花弁は筒状の部分になります。特徴的なのは花弁の後ろに距(きょ、細長…

八重紅大島(ヤエベニオオシマ)

近くの公園に一本だけある「八重紅大島」が満開です。公園のオオシマザクラの中では淡紅色が目立ち、惹きつけられます。八重紅大島は花が八重咲きに変化し、花色も咲き始めの淡紅色から紅色へと変化していくオオシマザクラの変種です。 オオシマザクラと里桜…

マングリエティア・インシグニスの花

マングリエティア・インシグニス(Manglietia insignis)はモクレン科モクレンモドキ属の常緑高木。モクレンモドキ属は世界に25種分布し、インシグニスは中国の西部からヒマラヤ、ミャンマーにかけて分布しています。和名は「木蓮擬き(モクレンモドキ)」、…

ユスラウメの花

ユスラウメ(梅桃、梅桜、桜桃、山桜桃梅)は、中国原産のバラ科サクラ属の落葉低木。サクラが咲く頃にサクラやウメに似た花を咲かせます。花の色は白またはピンク色で、葉が出る前に咲くケースと、葉と同時に咲くケースがあります(画像)。 「ユスラ」の語…

白雪と白妙

山に自生する「山桜」に対し、人里で栽培されるサクラが「里桜」。オオシマザクラと山桜などとを人工的に交配して作り出されたのが里桜で、里桜はオオシマザクラの血が入った園芸品種の総称です。 里桜の歴史は人々が桜を庭に植え始めた平安時代から始まると…