フジの花

 エニシダ、キングサリと同じマメ科のフジ(藤)は蔓性の落葉植物。本州、四国、九州の山野で見られ、普通は他の木に絡みついていますが、園芸では「藤棚」を作り、花を密生させて鑑賞します。

 フジの花の開花期は4月から6月です。フジにはノダフジ(野田藤)とヤマフジ(山藤)の二つがあり、ヤマフジは時計と反対回り、ノダフジは時計回りになっています。ヤマフジの花房は10-20㎝程度と短く、幹はノダフジほど太くなりません。

 「藤紫(ふじむらさき)」と呼ばれる色は藤の花のような明るい青紫色のことで、平安の頃より女性に人気の高い『藤色』と、高貴な色の象徴である『紫』を組み合わせた色名です。藤紫が染め色として登場するのは江戸時代後期ですが、明治期の文学作品や美人画などに数多く見られ、明治文化を代表する色です。

*フジの花もマメ科の花の特徴を共有していますが、次のエニシダに関する記事も参照してみて下さい。