マルハナバチの仲間のマニアックな特定

 フヨウの蕊に取りつくハチは小型のクマバチに見えるが、クマバチは胸が黄色く、コマルハナバチは尻が黄色い。だが、その尻が見えない。コマルハナバチのオスは淡黄褐色の毛で覆われ、腹端にオレンジ色の毛がある。メスは黒色で腹端がオレンジ色。ここから、画像はコマルハナバチのメスのように見える。

 こうして、コマルハナバチのように見えるのだが、クロマルハナバチかも知れない。だが、二つの種を決定的に判別する方法がなかなか見つからない。マルハナバチ判別のためのハンドブックを参考にすると、胸部全体が黒色のものはクロマルハナバチかコマルハナバチ。後脚の基跗節の湾曲がきつければクロマルハナバチ,あまり湾曲していなければコマルハナバチだが、私には判定できない。アプリのPlantNetによれば、コマルハナバチとの判定。

 何とも退屈極まりない話になってしまったが、フヨウの真っ赤な花に惹きつけられ、一心不乱に蜜を集めている姿は生きる姿の神髄であり、とてもエロチックである。ハチのいる画像といない画像を見比べると、微妙に異なる印象が得られるはずである。あなたなら、いずれにより惹きつけられるだろうか。

 蛇足ながら、マルハナバチやコマルハナバチの仲間の英名はBumleb-Beeで、リムスキー=コルサコフの名曲名は「Flight of the Bumble-Bee」。「クマバチの飛行」ではない。

*アプリやAIの判定は判定理由がしっかりあれば説得的で、本物なのだが、これは図鑑も同様。「これは何か」を特定するのは本当に厄介である。