タバコの花

 私の故郷の近くの大鹿はかつてタバコの産地として有名で、タバコの葉を集積する旧専売公社の大きな倉庫が我が家の近くにあった。だが、私はタバコの花を見たことがなかった。受け売りの知識によれば、タバコは6月の下旬から白色からピンク色の花が咲く。タバコになるのは花ではなく葉で、葉を干して、葉巻煙草・紙巻煙草・キザミ煙草になる。

 画像はニコティアナ・シルベストリス(Nicotiana sylvestris)。筒状の白い花が長く下垂してスプレー状に咲く。花には香りがあり、蛾を誘引するために、夜に匂いが強くなる。タバコの原産地は南アメリカ、アルゼンチンとボリビアの国境辺り。大航海時代コロンブスがヨーロッパに持ち込んだ。 学名は「野生の」、「森に生きる」というような意味。 ナス科のニコティアナ・シルベストリスは花タバコの一種で、葉の成分にニコチンを含むことからこの属名がついている。