花姿が船の錨にそっくりなのがイカリソウの仲間だが、その一つが「トキワイカリソウ(常盤錨草)」と呼ばれ、その分布は北陸、山陰の日本海側に多く、透明感のある白花(画像)をつける。本州の日本海側の多雪地帯の林縁など半日陰の場所に見られる。トキワイカリソウに似ている別のイカリソウがキバナイカリソウで、今は園芸種として人気が高い。やはり、黄色い花は下向きに咲き、錨がひっくり返った格好をしている。
イカリソウの花はなぜ錨形なのか。昆虫に効率よく花粉を運んでもらうため、というのがその答え。イカリソウの花の蜜は奥の方にあり、マルハナバチなどの昆虫は蜜を食べるために、花の奥まで顔を突っ込む必要がある。これがイカリソウの狙いで、顔を突っ込んだ時に花粉をたっぷり体につける工夫なのである。体につけた花粉が他の花へ運ばれ、受粉が成功するという訳である。
*最初の二枚の画像がトキワイカリソウ、残りの二枚の画像がキバナイカリソウ