キク科のハキダメギクは北アメリカ原産。大正時代に東京で見つかり、現在では関東地方以西に広がっています。茎は2分岐を繰り返し、高さ15〜60cmになります。葉は対生し、卵形〜卵状被針形で、波状の浅い鋸歯があります(画像)。頭花は直径5mm程で、まわりに白色の舌状花がふつう5個並び、内側に黄色の筒状花が多数つきます。総苞片と花柄には腺毛があります(画像)。花期は6〜11月で、湾岸地域ではまだ元気な花を見ることができます。
キク科でないシュウメイギクはキクに見えますが、キク科のハキダメギクはキクには見えません。矛盾したように見えるのは私たちが紛らわしい命名をしたからに過ぎず、生物の世界のどこにも矛盾などありません。最初に見つかったのが掃溜め(共同のゴミ捨て場)だったため、牧野富太郎がハキダメギクと命名しました。「ハキダメ」と「キク」の両方の不運が重なり、ハキダメギクにはとんだ災難ですが、ハキダメギクは実際にキク科で、掃溜めが過去の遺物となれば、災難など昔の人災に過ぎません。