ネムノキ(合歓木、合歓の木)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木で、別名がネム、ネブ。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことから名前がついた。また、「合歓木」は中国でネムノキが夫婦円満の象徴とされていることからつけられた。
子供の頃、ネムノキは触ると葉が閉じると思い込んでいて、何度触っても、まるで閉じず、がっかりしたのを今でもよく憶えている。触ると閉じるのは同じマメ科ネムノキ亜科のオジギソウ(画像)。花は丸い形をしたピンク色、葉は羽状複葉で、草丈はそれほど高くない。葉は何かに触れると、葉のつけねにある水が葉の先端方向に移って、葉の重心が先の方に移動し、葉が閉じ、おじぎしたように見える。子供の私はオジギソウを知らなかった。一方、ネムノキの葉は触っただけでは閉じないが、夜になると小葉が閉じ、垂れ下がる。それがまるで眠るようなので「眠りの木」、それが「ねむの木」に変化した。
そのネムノキが6月に入り、枝先に淡紅色の長い雄しべをもつ花が咲いた。雄しべが目立つ独特の花をたくさんつけている。ネムノキの花に対する印象は子供の頃とほぼ変わらず、いつ見ても見事で、見惚れてしまう。マメ科のネムノキは9~12月になると、平たい豆のような実が黒褐色に熟す(画像はまだ青い実)。サヤの長さは15センチほどで、中には10~15粒ほどの種子(豆)が入っている。