コエビソウの花

 コエビソウ(ベロペロネ)は熱帯アメリカや西インド諸島に分布するキツネノマゴ科ジャスティシア属の常緑低木です。以前は同じ科のベロペロネ属に分類されていたので、園芸ではこの旧属名で呼ばれることがあります。

 「苞(ほう)」と呼ばれる赤褐色の葉が鱗状に重なり合い湾曲し、エビの胴体のような格好になります。エビの胴体のような部分は「花序」で、実際の花はその間から顔をのぞかせるように咲きます。花色は白で筒状、紫色の斑点が入り、花序の付け根から先端に向かって順に咲きます。花は季節に関係なく、15℃以上の気温があれば咲きます。

 鉢植えで栽培するのが一般的ですが、ある程度の耐寒性があり、暖地などでは露地植えで冬を越します。関西平地では霜や寒さに当たると葉が真っ黒になり落ちてしまいますが、春に再び芽を吹いて生長します。

 ベロペロネという名前は、ギリシア語のベロス(矢)とペロネ(帯)の2語からなり、雄しべの先端に付く2つの葯(やく)が帯状の幕でつながれて矢のようなかたちになることに由来します。一方、花の形がエビを連想させるので「コエビソウ」というのが和名の由来です。英名でもshrimp plantやshrimp bushと呼ばれます。

 一般にベロペロネと呼ばれているのは、メキシコ原産のブランディゲアナとその園芸品種です。他に苞がライトグリーンになるイエロー・クイーンがあります(最後の画像)。