英語名がWild Teasel、学名がDipsacus fullonum、そして和名がオニナベナ(鬼なべな)、ラシャカキグサ(羅紗掻草)で、ユーラシアとアフリカ北部原産のスイカズラ科ナベナ属の越年草です。既にその花について記しました。
ティーゼルにはフロヌム(Dipsacus Fullonum)の他に、サティウス(Dipsacus sativus)があり、画像はフロヌムと思われます。どちらもオニナベナ、ラシャカキグサト呼ばれています。オニナベナの頭花は卵球形で、花は頭花を巻くようにリング状に咲き始め、その後、上下に咲き広がっていきます。その変わった咲き方のため、日本では鑑賞用として人気があります。
ラシャカキグサ(羅紗掻き草)という名前は、花序の小苞の先端が鉤状に曲がるのを利用して羅紗の起毛に使ったからです。明治時代に植物がヨーロッパから導入され、織物工業の盛んな大阪の泉州地域で栽培されていました。果穂の小苞片は強靱で、先端が鉤状に曲がり、これがラシャを製造する過程での起毛に使われます。
*オニナベナ、ラシャカキグサという和名とは違って、ティーゼルの花姿と果穂の小苞片はとても幾何学的で、見事な工芸品のように見えます。