コエビソウの花の戦略

 キツネノマゴ科のコエビソウは英語ではメキシカン・シュリンプ・プラント(Mexican shrimp plant)とも呼ばれるメキシコ原産の常緑の低木で、既に何度か記してきました。コエビソウは開花期間が非常に長く、15度以上の気温があれば、周年開花します。画像は少し前まで咲いていたコエビソウです。

 コエビソウは苞(ほう)と呼ばれる赤褐色の葉が重なり合い、エビの胴体のような格好になり、そのエビの胴体のような部分は「花序」で、実際の花はその間から顔を出すように咲きます。花色は白で筒状、紫色の斑点が入り、花序の付け根から先端に向かって順に咲きます(画像)。微妙に折れ曲がった苞はエビのようです。苞の先端の白い花は長く持ちませんが、色づいた苞は長く残り、花もち良好です。

 苞と花とが一体となって動物たちに花だと見せるというのがコエビソウの巧みな戦略です。花の形がエビを連想させるので「コエビソウ」というのが和名の由来です。一般に「ベロペロネ」と呼ばれているのはメキシコ原産のブランディゲアナとその園芸品種(最初の二枚の画像)で、苞がライトグリーンになるのがイエロー・クイーンです(最後の一枚の画像)。