コエビソウの花

 キツネノマゴ科のコエビソウ(ベロペロネ)はメキシカン・シュリンプ・プラント(Mexican shrimp plant)とも呼ばれるメキシコ原産の常緑の低木です。コエビソウは開花期間が非常に長く、15度以上の気温があれば、周年開花します。画像は今咲いているコエビソウです。

 「苞(ほう)」と呼ばれる赤褐色の葉が鱗状に重なり合い湾曲し、エビの胴体のような格好になります。エビの胴体のような部分は「花序」で、実際の花はその間から顔をのぞかせるように咲きます。花色は白で筒状、紫色の斑点が入り、花序の付け根から先端に向かって順に咲きます。微妙に折れ曲がった花(苞)がまるで茹でたエビのようです。重なったようにみえる苞の先端の白い花は長く持ちませんが色づいた苞は長く残り、花もち良好です。

 ベロペロネという名前は、ギリシア語のベロス(矢)とペロネ(帯)の2語からなり、雄しべの先端に付く2つの葯(やく)が帯状の幕でつながれて矢のようなかたちになることに由来します。一方、花の形がエビを連想させるので「コエビソウ」というのが和名の由来です。

*一般にベロペロネと呼ばれているのはメキシコ原産のブランディゲアナとその園芸品種です(最初の二枚の画像)。他に苞がライトグリーンになるイエロー・クイーンがあります(最後の二枚の画像)。

**最初にこの花を見た時、花かどうか戸惑ったのを憶えています。さらに、コエビソウは木であり、草ではありません。