カラタネオガタマの花

 オガタマノキ(招霊木)の「オガタマ」は「招霊(オキタマ)」が転訛したもので、かつては神の「依代(よりしろ、神霊が寄り憑く樹木、岩など)」として寺社を中心に植栽されました。オガタマノキモクレンモクレン属に属する日本原産の常緑高木で、花はミヤマガンショウやモクレンに似ています。オガタマノキによく似た木に、同じモクレン科で中国原産の「カラタネオガタマ」があります。カラタネオガタマ(唐種招霊)はモクレン科の常緑樹で、別名はトウオガタマ(唐招霊)。カラタネオガタマは中国南部原産で、江戸時代に渡来しました(渡来ものでも依代にできるのかと問いただしたくなります)。

 オガタマノキカラタネオガタマの違いは比較的容易に見分けることができます。樹高はオガタマノキが樹高15~20mに達するのに対し、カラタネオガタマは成長しても3〜5m程度です。葉の大きさもオガタマノキが長さ10cmほどなのに対し、カラタネオガタマは約4〜8cmと一回り小ぶりで、葉や花は随分違います。また、オガタマノキの花は強い香りがないのに対し、カラタネオガタマの花にはバナナのような甘い強い芳香があり、別名は「バナナノキ」、英語ではバナナブッシュです。

 既に何回か深山含笑(ミヤマガンショウ、Michelia maudiae)を紹介しました。やはり中国原産の常緑の花木で、春に半八重のタイサンボクに似た、香りのある、オガタマに似た白い花を咲かせます。そのミヤマガンショウはカラタネオガタマの仲間で、中国名は「含笑」、「含笑花」。花びらが全開しない含み笑いのような花の形からきているようです。

*「深山含笑」は湯桶読みだが、今の子供には湯桶も重箱も通じない。

ミヤマガンショウ